A4一枚評価制度と組織のためのABA(応用行動分析学)

社労士やら人事コンサルやら行動分析の研究やら猫やら馬やらで毎日過ごしています。

「評価は給与に反映させない」。人事評価は運用だ!その12。

2018/09/17

本日は妻と一緒に娘の高校の学際へ。

 

吹奏楽、チアなど見学して(レベルが高くびっくり、中学とは違う)、
娘のクラスへ。

 

みんなで最近の曲をダンス。(皆、照れててほほえましい)
なかなか楽しめました。

 

調理部が作っているアップルパイがおいしかったです。

 

さて、本題です。

 

★「評価は給与に反映させない」。人事評価は運用だ!その12。

 

「A4一枚評価制度」の特徴の一つに、
給与・賞与に反映させない、
というものがあります。

 

いや、それおかしいでしょう。

 

と言われることもあります。

 

また、給与や賞与に反映させないとは、
どういうことなんですか、
と関心を持たれる場合も多くあります。

 

もちろん、それは目的も意図もあります。
一つの人事制度のあり方だと思っています。

 

まず、一番大きいのは、
「A4一枚評価制度」は、
「人材育成・業績向上」を目的にしたものであるということ。

 

そして、その目的のためには、
出た評価結果を、給与や賞与に反映させないほうが、
うまく繋がるからなのです。

 

なぜでしょうか。

 

それは・・・。

 

給与や賞与と連動させると、
必ず「調整」をしてしまうから、です。

 

特に、中小企業であれば、
業績によって、給与が上げられるときもあれば、
現実的に厳しい場合もあります。

 

評価項目に対して、
とても頑張った社員がいたとします。
課長としましょう。

 

100点満点での評価で、
この課長は90点を取りました。

 

給与に反映させるために、
昇給表を見ると、課長の等級では、
90点の場合では、30,000円の昇給です。

 

しかし、この課長は確かに頑張ったのですが、
業績自体は為替や災害の影響で、
とても厳しい状況です。

 

すると何が起こるか・・・。

 

30,000円はとても無理だから、
8,000円の昇給ぐらいならなんとか、
となり、8,000円の表に当てはまるように、
「評価点」の調整が始まるのです。

 

 

---------------------------------------------------------

8,000円の昇格の場合は、
60点にすれば大丈夫。
5点満点だった箇所を、3点に。
4点だったところを3点に。

よしよし、なんとか60点になった。
これで、8,000円の昇給にしよう。
よかったよかった。

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さて、この頑張った課長のモチベーションはどうなるでしょうか。

 

評価前までは、
今年は頑張ったと自他ともに認めていて、
オープンにされている昇給表も、
いつも気になっていました。

 

しかし、フタを開けてみたら、
いつもと対して変わらない・・・。

 

この会社、結局見てくれていない、
評価されないじゃないか、
となってしまいそうです。

 

逆もあります。

 

配置転換か、中途入社などで入ってきた社員。
評価してみたら、20点。

 

求める能力は大分足りないし、
やってほしい行動もしていない。

 

しかし、20点の場合は、
15,000円の降給。

 

そんなに下げて、
辞めてしまったらどうしよう・・・
上司として嫌われそうだ・・・
やる気なくしたら、一緒に仕事やりづらい・・・

 

なんとか現状維持にしよう。
1点だったところを3点に、
2点だったところを3点に。

 

よしよし、合計45点になって現状維持だ。

 

この場合は、
足りない能力、やらない行動もまずまずの評価になり、
課題として認識しないまま、次期になるのです。

 

これを繰り返して、
結局、標準的な評価のまま、
成長せず、年齢だけ重ねていく・・・。

 

なかなか恐ろしいのです。

 

本来、人事評価でやりたいことは、

 

・頑張ったら、思いっきり良い評価をして、モチベーションにつなげる。

・課題となるところを客観的に早めに明らかにして、 次期の成長につなげる。

 

評価を調整すると、
このどちらもできなくなってしまうのです。

 

給与・賞与と連動させると、
この「調整」が起きがちなのですね。

 

思い切って切り離すことで、
本来の目的の「人材育成・業績向上」に、
しっかりつなげていけるのです。

 

一方、給与や賞与に反映させた方が、
モチベーションが上がるはずだと、
いまだに当たり前のように言われています。

 

それは、給与や賞与に向かってのモチベーションの条件付であり、
一時的であり、多くの副作用があります。
(ブログで触れていますので、よかったらぜひ)

「ご褒美はサプライズで!」。

 

仕事での成長、職場での成功体験でモチベーションが上がる人を、
わざわざ給与のために働く人にしてしまっているのですね。

 

上記のように、本来の持続的なモチベーションは、

 

「頑張ったらちゃんと上司・会社が見てくれている」
「この職場では成長が実感できる、成功体験がある」

 

ことで生み出されるものなのです。

 

人材育成をして、
頑張ったことは思いっきり評価し、
出来ていないことは、課題を明確にして、
次期に成長してもらう。

 

この目的のためには、
給与や賞与に反映させないほうが、
うまくできるのです。

 

★評価結果を反映させる方法はない?

 

そうはいっても、
やっぱり、何かしら反映させないと、
働く人が不安になるかと思うんだよ。

 

という声もいただきます。

 

でも、確かに給与のために、
評価自体を調整してしまっては、
本末転倒だし・・・。

 

というケースも、
実は多くあり、
「折衷案」という感じで、
給与・賞与の換算方法を作る場合があります。

 

こちらについては、次回、
お伝えする予定です。

 

本日の日課 56点(楽しいそうで何より。)

(日課とは、オリジナルで作製した「行動アシスト手帳」に書かれている毎日やる25項目のうち、何項目やったかを点数化したものである。どんな項目かはナイショ)



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