榎本あつしのBLOG(人事制度の学校・評価をしない評価制度・A4一枚評価制度とABA:応用行動分析学)

人事制度や社労士やら応用行動分析学の研究やら猫やら馬やら庭やらで毎日過ごしています。

パフォーマンスか行動か。

2018/08/31

本日は、都内で研修業務をした後、
移動して岡山へ!

 

 

いつもの桃太郎~!

 

あ、そうそう、
来週の9月5日(水)に「ゆるABA会」が開催されます!

 

19時からの2時間、
飲食をしながら、ゆる~く、ABA(応用行動分析学)が好きな人たちでの交流会です。

 

ミニセミナーもあり。

 

平日の夜、ちょっと時間がとれるようでしたら、
ぜひご参加してみてください。

ゆるABA 会

 

さて、本題です。

 

★パフォーマンスか行動か?

 

今回のテーマは、
「パフォーマンスか行動か?」。

 

ちょっと言葉遊び的になってしまうかもしれませんが、
この区分けが明確にできていないと、
いつまで経っても望ましい結果にならないことが良くあります。

 

目の前で起きている一つの現象、
果たしてそれは「パフォーマンス」なのでしょうか。
それとも「行動」なのでしょうか。

 

▼「パフォーマンスとは」

 

「パフォーマンスを発揮する」「ハイパフォーマーを育てる」などというように、
人材育成や組織活性の話になると「パフォーマンス」という言葉がよく聞かれます。

 

さて、「パフォーマンス」って一体何でしょうか?
「行動」とは違うものなのでしょうか?

 

次に上げる例は、はたしてパフォーマンスなのか、行動なのか、
一緒に考えてみてください。

 

1 ホームランを打つ
2 バットを振る
3 ダイエットをする
4 走る
5 自転車に乗る
6 ハンドルを握る
7 恋人を作る
8 デートに誘う
9 優れた提案をする
10 声を出す

 

さて、パフォーマンス?行動?の違いが分かりますでしょうか。

 

言葉の定義の問題ではありますが、
行動科学の世界においては、
パフォーマンスと行動には明確な違いがあります。

 

1「ホームランを打つ」は、パフォーマンスで、2「バットを振る」は行動です。
3「ダイエット」は、パフォーマンス」で、4「走る」は行動です。

 

同様に、

5「自転車に乗る」7「恋人を作る」9「優れた提案をする」はパフォーマンス、
6「ハンドルを握る」8「デートに誘う」10「声を出す」は行動です。

 

何となくお分かりなるかと思いますが、
「パフォーマンス」と「行動」の違いは、

 

・いくつかの行動が集まって成り立っている現象かどうか
・行動に質や量などの違いがあるか
・不確定要素(できるかできないかは、本人以外の条件も加わる)

 

を含むかどうかという点なのです。

 

ホームランを打つためには、
ただバットを振るだけではなく、
ボールをよく見るという別の行動、
タイミングを合わせて踏み込むという行動、
球種を予想して構える動作など、複数の行動が重なります。

 

スイングスピードが速いかどうか、
インパクトの瞬間の力があるかどうかの「質」的な要素も加わります。

 

さらに打てるか打てないかは相手の投げたボール次第、
という不確定要素も加わります。

 

一方、バットを振るということは、
その場で一人でできる行為であり、結果は問われません。
(厳密には、複数の行動が重なってはいます。例えばグリップを握る、バットを一度上にあげる、等々)

 

 

同様に、ダイエットもランニングやカロリーの低い食事を取るなど、
複数で日々の行動の集積として現れるもの。

 

一方で走るというのは単独でできる、
結果を問われない行動なのですね。

 

ちなみにウェブの辞書で調べてみたところ「パフォーマンス」とは、

1.上演,演奏,演技,興行
2.出来栄え,成績,実績
3.(機械の)性能

組織におけるパフォーマンスといえば、
やはり2.出来栄え,成績,実績でしょうか。

 

なんとなく、
ここまでの例を見ていくとその意味通りになっているかと思います。

 

▼「行動の集積がパフォーマンス」

 

組織における指導や育成をみていると、
「パフォーマンス」を求められることがほとんどです。

 

もちろん、組織ですのでただ行動するだけではなく、
そこに結果が求められるのは当然ですね。

 

しかし、ここに人材育成がうまくいかないという罠が潜んでいます。

 

パフォーマンスを求めるばかりに、
行動を教えない、おろそかにするということが往々にして見られるのです。

 

「ホームランを打て!」
「ダイエットしろ!」

 

少し極端に言うと、
職場ではこのような成果に近いパフォーマンスを追い求める指示や命令ばかりで、
それに繋がるための行動の指示がすっぽり抜け落ちてしまうことが見られるのです。

 

パフォーマンスはいくつかの行動の集積としての成果、
なのですから、それに繋がる行動ができるように、
不確定要素はあれども、成果を上げる確率が上がるような行動そのものが、
出来るようにならないと行けないのです。

 

ホームランを打つためには、ホームランを打て!という指示ではなく、
スピードのあるスイング、球を引きつける選球眼、コースを読む考え、
それら一つ一つの行動の質をたかめることにより、
確率が上がってくるパフォーマンスというわけです。

 

※今回、行動との違いを示すために、パフォーマンスに「成果」の要素を加えています。
成果とパフォーマンスを比べた際にも、やはり違いがあることをご了承ください。

 

 

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(日課とは、オリジナルで作製した「行動アシスト手帳」に書かれている毎日やる25項目のうち、何項目やったかを点数化したものである。どんな項目かはナイショ)

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