こんにちは。今回は行動を伸ばすための手法として、正の強化についてお話しします。

正の強化とは、行動した後に何らかの刺激が出現(もしくは増加)することで、その後の行動が増えることでした。

 

部下が上司に業務報告する(行動)⇒上司から「ありがとう、お疲れ様」と言われる(上司からの称賛という刺激が出現)。その後報告行動が増える。

などが一例でしょうか。

この正の強化は行動分析の中でも非常に重要なのですが、行動分析をかじった人から「ようは褒めればいいんでしょ?そんなのやってるよ」と誤解されます。

 

褒めることや注目を与えることは行動分析の本でも強化子(強化する刺激のこと)としてよく出てきます。確かに、これらの刺激は他の無数にある刺激に比べ、多くの人に強化子となる可能性は高いかもしれませんが、実際に行動を増やすかどうかはやってみないとわからないのです。

褒めること=強化子

ではないのです。

褒め方

さらに、「褒める」と一口に言っても、どのように褒めるのか、どういう条件で褒めるのか、褒めるタイミングはいつか、褒める言葉はなにか、毎回褒めるのかたまに褒めるのか、など非常に多くの褒め方があり、これらすべてに行動に与える影響がことなります。

皆さんも「褒める」ことはしていると思いますが、ここまで考えて、褒めている人はほとんどいないのではないでしょうか。

 

行動分析の立場からすると、

①どのように褒めるのか⇒具体的に、何の行動について褒められたのか明確にする。

②どういう条件で褒めるのか⇒増やしたい行動を具体的に決め、どういう時にその行動をしたら褒めるのか定めておく。

③褒めるタイミング⇒行動した直後。「昨日はこれやってくれてありがとうね」では遅い

④褒める言葉⇒なるべく多くの誉め言葉レパートリーで褒める。同じ褒め言葉だと人間は慣れてしまうので(専門的には、同じ刺激が繰り返し提示されると馴化すると言います)、褒める効果も徐々に薄れてしまいます。

⑤褒める頻度⇒はじめは毎回、行動がある程度自発してきたら毎回じゃなくてもいい。

と、褒める一つとってもこれだけ考える必要があるわけです。

強化子の用意

強化子の代表例として褒めることを取り上げましたが、先述した通り、褒めることは必ずしも行動を増やす刺激になるわけではありません。

そこで、普段から部下や周囲の人間を観察し、強化子になりそうな刺激を探す。そして実際にその刺激を与え、行動が増加するのかチェックする。増えない場合は、その人にとって与えた刺激自体が強化子としての価値がないのか、それとも刺激の与え方の問題(①~⑤)なのか、考察する。

というような、言わばプチ実験みたいなことが重要です。

どんな人でも確実にこの刺激を与えれば行動が増える!

なんて魔法みたいなものはありません(あれば楽なんだけどね)。

対象の人や行動、今の環境、これまでの環境によって強化子は変化するので、

一つのケースごとに考える必要がありますね。

 

正の強化もシンプルに見えて奥が深い…

今回はこの辺で、ではまた。