人間観察って面白いですよね。

でも、ただボーっと見てるのではなく、分析しながら観察するともっと面白いですよ。

今回は人間の行動を機能的にみる方法として、ABC分析をお伝えします。

機能的にみるとは、大雑把にいうと、どういう役割を果たしているのかに注目するということです。

例えば、

歩く行動に注目したとき、機能的にみる⇒移動できる。 形式的にみる⇒ももを上げている角度はX度である。

他にも、

「おはよう」というあいさつも、機能的⇒「おはよう」と言った後で、相手から注目され返事がもらえる。 形式的⇒「おはよう」は四文字の言語で、Xデシベルの大きさ。

このように、行動する前と後で何が変化したか、その行動はどういう役割を果たしたのか、が機能的にみることです。

当たり前といえばそうですが、一般の人は形式をみて機能をみない人が多いように思います。

ABA(応用行動分析学)では、形式ではなく機能に注目して分析します。

行動分析家はもう癖になるくらいABC分析を行っています。

ABC分析

では先程からお話しているABC分析とはなんなのか?

ABC分析…行動を分析する際に、先行条件(Antecedent)⇒行動(Behavior)⇒結果(Consequence)の3段階でみることです。

それぞれの英語の頭文字をとってABCと略されます。

会社であいさつしている人は、

上司が視界に入る(A)⇒「おはようございます」と言う(B)⇒上司から「おう、おはよう」と言われた(C)

というように分析していきます(一例です)。

メリット

このABC分析ができると、どんなメリットがあるのでしょう。

一つは、行動の変容に役立ち、現実的解決につながることです。

私がABAを好きな最大の理由がこの現実的解決です。

行動そのものは本人が行いますが、先行条件(A)と結果(C)は外部や周囲の人で変える事ができます。

「なんで行動しないんだ!」「なんでこんな行動するんだ!」と行動(B)や個人を責めても何もなりません。

外部で働きかけることのできるAとCが現実の行動を変化させるのです。

行動自体に注目しすぎるのではなく、行動の前と後にも目を向けることで、増やしたい/減らしたい行動にどういう対処法をとればいいのか考えることができます。

 

新入社員で「ちわーす」とあいさつしている人がいて、それを減らしたい場合、

「ちわーす」自体が良いか悪いか、どのように悪いのか、なぜ悪いのか、話し合っても意味ないですよね。

現実的に、問題行動を減らすには

どういう先行条件で言っているのか、言った後にどういう結果があるから自発しているのかを考える。

また、適切な行動が現れないのであれば、どういうAとCを用意すればするのかを考える。

そして、AとCをどのように変化させるのか話し合う必要があります。

最後に

行動の要因は3つだと言われています。

1,生得的要因(遺伝など)

2,これまでの環境

3,現在の環境

この中で、今から行動を変えるためにできることは、3に働きかけるしかありません。

過去のことは、事実としてもう起きてしまったので変えようがありません。

そして、3の分析に役立つのがABC分析です。

皆さんも問題解決のときは、ABCで分析して、行動の形式から機能に注目してみてはいかかでしょうか。

ではまた。

 

The following two tabs change content below.