今までもいくつか紹介しましたが、

行動分析の中で行動を減らす方法はいくつか存在します。

その中でも、弱化と消去をこれまで紹介しました。

そこで、問題行動を減らしたい時、どちらをどのように使い分けたら良いのか考えたいと思います。

本当は他行動分化強化とか代替行動分化強化とか非両立行動分化強化などの、

「分化強化」という方法もあるのですが、これは少し専門的なので、また今度1つずつ紹介します。

一度に沢山言っても、グチャグチャになるので、今回は知識を整理する回だと思って見てください。

正の弱化/負の弱化

まず1つ目の方法は弱化です。

これは以前にご紹介しましたが、改めて弱化とは

 

正の弱化(正の罰、嫌子出現による弱化とも言う)・・・行動した後に何か悪い刺激が出現することで、行動が減ること

*上司が話している会議中→無駄話しする→「おいそこ!うるさいぞ!」と言われた、その後会議中に無駄話しすることが減った。

 

負の弱化(負の罰、好子消失による弱化とも言う)・・・行動した後に何か良い刺激が消失することで、行動が減ること

*後輩と飲みに行く→後輩の分の飲み代を出す→お金が減る、その後後輩に奢ることが減った。

 

この2つに分けられます。

共通しているのは、行動した後に何らかの環境変化が起きることで、行動が減ることです。

この内、特に気をつけないといけないのは、苦痛刺激を用いた正の弱化です。

 

 

 

 

 

 

なぜならば、効果が一時的で、状況に依存するからです。

怒ることで無駄話しが減ったとしても、その時に怒った人がいない場面では、

また無駄話しをする。そして、その人がいる場面でも、減少の効果は長続きしない。

というような、状況と時間の問題が考えられます。

他にも、標的行動とは別の攻撃行動が増加するという報告もあります。

 

詳しくは以前のこちらの記事をどうぞ→褒めるVS叱る 1

消去

2つ目の方法は消去です。

消去・・・もともと強化されていた行動が、強化されなくなることで行動が減少すること

これも以前の記事で紹介しました。→行動を減らす「消去」とは何か?

 

消去の特性として、消去バーストという一時的に行動が増加してしまうという特徴があります。

しかし、長期的には行動を減らす有効な方法です。

使い分け

ここまで聞くと、なんだか正の弱化は悪者で、

消去など他の方法がいいように思いますよね。

では、本当に正の弱化は使用しないほうが良いのでしょうか?

 

 

 

 

 

 

 

正の弱化と消去はそれぞれメリットとデメリットがあります。

正の弱化のメリットは即効性で、デメリットは効果時間が短いことや状況が限られることです。

そのため、今すぐ行動を減らさないとマズい!という、緊急性が高い場合には使えます。

しかし、長期的には問題行動が基に戻る恐れや攻撃行動が出現する可能性があります。

 

消去のメリットは正の弱化のデメリットを回避できる確率が高いことで、デメリットは一時的に問題行動が爆発的に増える恐れがあることです。

そのため、長期的な問題行動の改善には使えます。

しかし、問題行動の与える悪い影響が緊急度・重要度共に高く、一時的にでも行動が増えたらマズい場合にはやめたほうがいいでしょう。

 

また他にも、負の弱化は強化子を取り上げることで効果を発揮するので、

即効性があり正の弱化のデメリットも回避できますが、

そもそも日常に強化子が沢山ある状態を維持しておく必要があります。

 

いろいろと書きましたが、

ようはメリットとデメリットを把握した上で、

自分が何を重要視するのかによって使い分けることが大事なんだと思います。

行動分析家の中には、「正の弱化や罰を使う」と言うだけで

拒否反応を示す人もいますが、正の弱化や罰も使い方によっては有効に働きます。

 

どんな問題行動をどのように減らしたいのか、緊急性・重要性は高いのか、によって減らす方法を選択しましょう。

 

 

 

 

 

 

 

最後に…

今回は、行動を減らす方法についての記事でしたが、

問題行動を減らすだけではなく、適切な行動を強化することが必要です。

仕事中に無駄話しをする社員に「いかに無駄話しを減らすか」だけではなく、

「黙って仕事をこなして成果をあげた」ときにいかに強化するかも考えるといいですね。

ではまた。