株式会社MillReef、日本ABAマネジメント協会の榎本です。
一日おきに、
「A4一枚評価制度&小さな会社の人事戦略」と、
「行動分析学で人を動かす」
というタイトルに関するメールを、お送りさせていただいています。
いつでもこちらから配信停止(https://i-magazine.jp/bm/p/f/tf.php?id=nearco)できますので、
お気軽な気持ちで読んでいただければ、大変嬉しいです。
年明けに出す予定の本が、進んでおりません。
ちゃんと時間確保してやらないと、泣きを見そうです。。。
(もう泣いている)
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★「公平性・納得性には際限がない」【A4一枚評価制度と小さな会社の人事戦略】
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人事評価制度は、公平性・納得性が大事。
「A4一枚評価制度」はそれを求めません。
一体どういうことかと思われることでしょう。
もちろん、人事評価制度に、
公平性・納得性をまるっきり必要ない、
というわけではありません。
しかし、お伝えしたいのは、
どこまでそれを追いかけるか、ということなのです。
人の公平感・納得感というものには際限がありません。
どんなに良い制度を作ろうとも、
必ず「不公平だ」「納得しない」という人たちは現れてきます。
それはそうです。人事評価をするということは、
評価が高い人、評価が低い人というような「差」が必ず出てきます。
その際に、人と比べて自身の評価が低い人が「公平感」を、
どれだけ感じてくれるでしょうか。
本当に「納得」してくれるでしょうか。
正しいか、正しくないか、という観点で人は公平感・納得感を感じたりはしません。
どんなに正しいものであっても、立場によって捉え方は変わります。
同期で入ったとなりの人の賞与が、自分より千円多かった。
それだけで、公平感とか納得感は大きく「その人にとっては」下がってしまうのです。
もちろん、やり方によって、
多少は人による感じ方の違いの程度を変えていくことはできるかと思います。
それでもどこまでやれば、どこまで公平感・納得感を高められるのか、
それを追求するために時間・労力などのコストをどこまで費やしていくのか、
という問題なのです。
●公平性・納得性が最終目的か
「いやいや、そうはいっても、やっぱり客観的な公平性や納得性は必要なのではないか。」
というような、
ご意見も当然あることかと思います。
やはりそれは大事だということで、
公平性・納得性を追い求め、頑張って労力も費やした結果、
もしかしたら公平性・納得性が完璧な人事評価制度が出来上がったとします。
しかし、その先には何があるのでしょうか。
人事評価制度は手段であり、ツールです。
この手段やツールを使って、何かを成し遂げたい目的に繋がることが大事なのです。
例えば、その会社の人事評価制度を導入する目的が、
「人材育成」や「業績向上」というものであったとします。
しかし、公平性・納得性を追い求めるあまり、
本来の目的である「人材育成」「業績向上」に近づかないのであれば、
どんなに公平性・納得性が高かったとしても、
それは失敗の人事評価制度なのです。
●手段が目的にならないように
このように公平性・納得性を追い求めると、
「手段が目的化する」ということに陥りやすくなります。
例えば、「私は他の人よりも事務処理のスキルは高いはずです。そこは評価してもらえないのですか?納得できません。」とか、
「去年に入った人は、ちょうど業績がよかったので賞与の計算がよかったはずです。
今年少なくなるのは不公平なのではないでしょうか。」
というような意見が従業員より上がってきたとします。
公平性・納得性は人事評価制度において重要だ、
とコンサルから聞いていた経営者は、
「納得性が大事なので、事務職の評価項目も増やそう」とか、
「去年と同じような計算でできるようにして公平にしていこう」などと、
不平不満をなくすこと自体が目的になってしまうのです。
そちらを一生懸命やって、できるだけ公平性・納得性の高いものにしようとした結果、
本来の目的からどんどん遠ざかってしまう・・・ということは、
人事評価制度で非常に陥りがちな「間違い」のポイントです。
制度自体に不満がでないようにすることを、
一生懸命やってしまっている企業は、実はかなり多くあるのです。
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★編集後記
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もう一つ、
その不満は誰が言っているのか、
という点をおさえることも重要です。
会社の方針をわかって、
期待に沿って貢献してくれている社員からの不満なのか。
そうではなく、
方針とは別に自分のことばかりやって、
貢献してくれない社員からの不満なのか。
もし、後者から「頑張ってるのに評価されないなんて不公平です」という不満があがったとき、
不満をなくしていくことをやってしまったりしていませんでしょうか。
大事なのは、
貢献してくれる側の社員に、
しっかりと評価をしてあげることなのです。
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