株式会社MillReef、日本ABAマネジメント協会の榎本です。
一日おきに、
「A4一枚評価制度&小さな会社の人事戦略」と、
「行動分析学で人を動かす」
というタイトルに関するメールを、お送りさせていただいています。
いつでもこちらから配信停止(https://i-magazine.jp/bm/p/f/tf.php?id=nearco)できますので、
お気軽な気持ちで読んでいただければ、大変嬉しいです。
本日は土曜日で、遅くの配信にさせていただいていますが、
とても重要な「評価は給与に反映させない」
を、お伝えします。
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★「評価は給与に反映させない」。人事評価は運用だ!その12。【A4一枚評価制度と小さな会社の人事戦略】
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「A4一枚評価制度」の特徴の一つに、
給与・賞与に反映させない、
というものがあります。
いや、それおかしいでしょう。
と言われることもあります。
また、給与や賞与に反映させないとは、
どういうことなんですか、
と関心を持たれる場合も多くあります。
もちろん、それは目的も意図もあります。
一つの人事制度のあり方だと思っています。
まず、一番大きいのは、
「A4一枚評価制度」は、
「人材育成・業績向上」を目的にしたものであるということ。
そして、その目的のためには、
出た評価結果を、給与や賞与に反映させないほうが、
うまく繋がるからなのです。
なぜでしょうか。
それは・・・。
給与や賞与と連動させると、
必ず「調整」をしてしまうから、です。
特に、中小企業であれば、
業績によって、給与が上げられるときもあれば、
現実的に厳しい場合もあります。
評価項目に対して、
とても頑張った社員がいたとします。
課長としましょう。
100点満点での評価で、
この課長は90点を取りました。
給与に反映させるために、
昇給表を見ると、課長の等級では、
90点の場合では、30,000円の昇給です。
しかし、この課長は確かに頑張ったのですが、
業績自体は為替や災害の影響で、
とても厳しい状況です。
すると何が起こるか・・・。
30,000円はとても無理だから、
8,000円の昇給ぐらいならなんとか、
となり、8,000円の表に当てはまるように、
「評価点」の調整が始まるのです。
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8,000円の昇格の場合は、
60点にすれば大丈夫。
5点満点だった箇所を、3点に。
4点だったところを3点に。
よしよし、なんとか60点になった。
これで、8,000円の昇給にしよう。
よかったよかった。
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さて、この頑張った課長のモチベーションはどうなるでしょうか。
評価前までは、
今年は頑張ったと自他ともに認めていて、
オープンにされている昇給表も、
いつも気になっていました。
しかし、フタを開けてみたら、
いつもと対して変わらない・・・。
この会社、結局見てくれていない、
評価されないじゃないか、
となってしまいそうです。
逆もあります。
配置転換か、中途入社などで入ってきた社員。
評価してみたら、20点。
求める能力は大分足りないし、
やってほしい行動もしていない。
しかし、20点の場合は、
15,000円の降給。
そんなに下げて、
辞めてしまったらどうしよう・・・
上司として嫌われそうだ・・・
やる気なくしたら、一緒に仕事やりづらい・・・
なんとか現状維持にしよう。
1点だったところを3点に、
2点だったところを3点に。
よしよし、合計45点になって現状維持だ。
この場合は、
足りない能力、やらない行動もまずまずの評価になり、
課題として認識しないまま、次期になるのです。
これを繰り返して、
結局、標準的な評価のまま、
成長せず、年齢だけ重ねていく・・・。
なかなか恐ろしいのです。
本来、人事評価でやりたいことは、
・頑張ったら、思いっきり良い評価をして、モチベーションにつなげる。
・課題となるところを客観的に早めに明らかにして、 次期の成長につなげる。
評価を調整すると、
このどちらもできなくなってしまうのです。
給与・賞与と連動させると、
この「調整」が起きがちなのですね。
思い切って切り離すことで、
本来の目的の「人材育成・業績向上」に、
しっかりつなげていけるのです。
一方、給与や賞与に反映させた方が、
モチベーションが上がるはずだと、
いまだに当たり前のように言われています。
それは、給与や賞与に向かってのモチベーションの条件付であり、
一時的であり、多くの副作用があります。
(ブログで触れていますので、よかったらぜひ)
↓
仕事での成長、職場での成功体験でモチベーションが上がる人を、
わざわざ給与のために働く人にしてしまっているのですね。
上記のように、本来の持続的なモチベーションは、
「頑張ったらちゃんと上司・会社が見てくれている」
「この職場では成長が実感できる、成功体験がある」
ことで生み出されるものなのです。
人材育成をして、
頑張ったことは思いっきり評価し、
出来ていないことは、課題を明確にして、
次期に成長してもらう。
この目的のためには、
給与や賞与に反映させないほうが、
うまくできるのです。
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★編集後記
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そうはいっても、
やっぱり、何かしら反映させないと、
働く人が不安になるかと思うんだよ。
という声もいただきます。
でも、確かに給与のために、
評価自体を調整してしまっては、
本末転倒だし・・・。
というケースも、
実は多くあり、
「折衷案」という感じで、
給与・賞与の換算方法を作る場合があります。
こちらについては、次回、
お伝えする予定です。
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