評価をつける際に、5・4・3・2・1点でつけたり、
S・A・B・C・D・Eなど記号でつけたりします。

この評価、奇数の場合と偶数の場合がありますが、
さて、どちらがいいのでしょうか。

—————————————————————————————
★評価の段階は奇数?それとも偶数?【A4一枚評価制度と小さな会社の人事戦略】
—————————————————————————————

評価の段階を奇数にした場合は、「真ん中」ができます。

「5・4・3・2・1」にしたら、「3」が真ん中。
「S・A・B・C・D」だと、「B」が真ん中になりますね。

このように中心を作った場合、
真ん中の評価がつけられることがとても多くなります。

「3」や「B」という評価ばかりになってしまうのですね。
評価の際にやってしまいがちな「評価エラー」のうちのひとつ、
「中心化傾向」というものです。

評価する上司が、評価に自信がない、しっかり評価期間に見られていなかった、
やっつけでお茶を濁す、という、ありがちですがNGのエラーです。

なぜ、これがエラーかというと、
本来、がんばったことはしっかりと評価で承認して、
モチベーションUPにつなげないといけません。

また、ダメだったところは、これもしっかりと評価で示して、
育成課題として、次期の成長に取り組まないといけないのです。

これらを自信を持ってできずに、
真ん中につけてしまっては、評価制度の目的にはつながってきません。

「とりあえず、真ん中につけておけば・・・」

となってしまうのは、心情的にはわからなくもないですが、
せっかく手間隙かけてやっている、人事評価の意味がなくなってしまいます。

一方、偶数で評価段階を作る場合もあります。

「4・3・2・1」や「6・5・4・3・2・1」、
「S・A・B・C」や「S・A・B・C・D・E」など。

この場合は、真ん中がありませんので、
かならず、どちらかといえば「よい」か「悪い」かを判断しなければならなくなります。

基準より上か、下か。

その根拠を示さなければならなくなりますので、
よりしっかりと、部下を見ることが求められていきます。

上である根拠の承認ポイント、下である根拠の課題ポイントも、
伝える機会が出てくることでしょう。

一方で、「標準」というものが、
なくなってしまいます。

求められる「標準」レベルに、多少の上下はあっても、
そこにおさまる人たちが、やはり一番多数いることになります。

しかし、偶数での評価にしてしまうと、
その多数である「標準の範囲」をつくれなくなってしまいます。

本来は少しの差であるにもかかわらず、
同じ評価にはならずに、多少の差で、上か下かをつくってしまうわけですね。

どちらがよいのか、
これは考え方の価値をどちらにおくのかで、
企業ごとに変わってくると思います。

しっかりと、メリットデメリットを考えた上で、
検討されてみてください。

私の場合は、「中心化傾向」に陥ってしまい、
人事評価の目的につながっていない企業が多いため、
まずは偶数でやってみるところからスタートするように提案することが、
比較的多くなってはいます。

—————————————————————————————
★編集後記
—————————————————————————————

フェイスブックに「クロネコクラブ」というグループがあり、
結構昔から我が家はそれに入っています。

かなり大人数のグループで、
たまに投稿したりすると、
すごい勢いで「いいね!」がダーッ!とつき、
コメントもたくさん入ってきます。

これが、うれしい反面、
「返信面倒くさい・・・」
なんて気持ちにもなってしまいます。

返信しなければいけないのか、
と考えると、投稿に躊躇してしまうのですね。

「いいね!」やコメントがないと、
投稿しなくなり、
逆につきすぎても投稿しなくなる・・・。

何事も「ちょうどいい」が大事なのでしょうか。