レスポンデントとオペラント、その2。
2018/05/11
昨日、ご紹介したレスポンデントとオペラント。
今日はその後半、「オペラント」をご紹介します。
レスポンデントとオペラント、その2。
「行動」には、大きく2つの区分があり、
それを「レスポンデント」と「オペラント」ということを、
前回お伝えしました。
「レスポンデント」は、反応による「行動」のことで、
「オペラント」は、自発的な「行動」のこと、と考えると分かりやすく、
前回はそのうち「レスポンデント」を中心にご説明しました。
↓
レスポンデントとオペラント、その1。
パブロフの犬を例に出して、
ご説明しましたね。
本日は、「オペラント」をご説明します。
「オペラント」は、「レスポンデント」の反応刺激による行動とは異なり、
自発的に自分から行動する「行動」のことを言います。
一般的な言い方でいうと、
「自ら行動する」というケースです。
そして、ABAマネジメントによるアプローチは、
ほとんどがこの「オペラント」である行動の変容、
習慣化などを対象にしたものです。
「レスポンデント条件付け」と同じように、
「オペラント条件付け」もあり、
この条件付けにより、自発的行動を増やすことができるようになります。
どのように条件付けるかというと、
行動の「前」に刺激を出す「レスポンデント」と異なり、
行動の「後」に刺激を出す条件付けの手法です。
ABA(応用行動分析学)を確立したスキナーは、
「スキナー箱」で有名な、次のような「オペラント条件付け」の実験をしました。
(wikipediaより)
ある装置を設置した、
箱の中にネズミを入れます。
その装置にはレバーがついていて、
レバーを倒すと、エサが出てくるようになっています。
そして、ネズミは始め、レバーの存在に気がつきませんが、
何かの拍子にレバーを倒すと、エサが出ることに気づきます。
そして、次第にレバーを押せばエサがもらえることを学習し、
自発的にレバーを押し行動を繰り返すようになります。
一方で、
レバーを押したら、床の電線から電気ショックが来る装置のある箱に、
ネズミを入れます。
ネズミはレバーを倒したら、
電気ショックが来ることを学習し、
次第にレバーを倒さなくなっていきます。
このように、
「行動」の後の「結果」を提示することで、
行動の制御を行うことを「オペラント条件付け」といい、
自発的な行動の生起頻度を変えることができるのです。
何だか、理屈っぽくなってしまいましたが、
人の例で考えてみましょう。
何かの行動をした後に、嬉しい結果が表れれば、
人はその直前の行動を、自発的に繰り返すようになります。
一方で、何か行動をした後に、嫌な結果が表れれば、
その行動はやらなくなっていきます。
これが「オペラント条件付け」です。
意図的ではなくても、
人は「オペラント条件付け」によって、
行動の習慣化ができる、できないの違いになっていることが、
山ほどあるのです。
小さいときに、たまたま褒められたのか、
逆にダメだしされたのか、の違いが、
その後の行動にどれだけ大きな影響を与えているか。
優秀な人だから、
自分から行動ができる、
そうではないから、できない。
ではなく。
単にオペラント条件付けがうまくいっているか、
うまくいっていないか、だけの違いなのかもしれませんね。
本日の日課 56点(一言でいえば、学習)
(日課とは、オリジナルで作製した「行動アシスト手帳」に書かれている毎日やる25項目のうち、何項目やったかを点数化したものである。どんな項目かはナイショ。)