「確立操作で行動しやすく」。ちょっと使えるABA(応用行動分析学)。
2019/04/19
先ほど、
平昌オリンピックの開会式を見ていました。
各国の選手入場のとき、
後ろで踊っている人たちのダンスがですね、
なんといったらよいか、とてもいい意味でゆるくて、ほほえましかったのです。
つい一緒に踊る。(笑)
長時間のダンスだったので、
あまり激しくないものにしているのだと思うのですが、
狙ってやっていたのでしょうか。
さて、本題です。
「確立操作で行動しやすく」。ちょっと使えるABA(応用行動分析学)
ここ何回かでお伝えしている、
ちょっと使えるABA(応用行動分析学)のお話。
本日は「確立操作」というものをお伝えします。
昨日のブログでもちょっと触れましたね。
「確立」であって、「確率」ではないところに注意!
操作、という言葉がわかり辛くしてしまっていますが、
これは、「Establishing Operation」という英語を、
そのまま単語で訳しているからなのです。
★同じものでも価値が変わる「確立操作」
初めて聞くような専門用語で、戸惑われるかと思いますが、
分かってしまえばそんなに難しくないものです。
そして、これもうまく使うと非常に効果的なものですので、
ぜひ知識を身に付けて、活用できるようにしていきましょう。
【確立操作】
「好子や嫌子の力を強めたり、弱めたりする操作のこと」
同じ好子、例えば、私は「サバの塩焼き」が大好物なのですが、
時と場合によっては、この「強さ」が大きく変わってきます。
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・朝から何も食べずに、やっと夜にありつけた、
一か月振りに食べる「サバの塩焼き」。
・直前に外食をした後で、お腹がいっぱいのときに、
昨晩食べた残りが今日も出てきた「サバの塩焼き」。
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同じ「サバの塩焼き」でも、
食事をするという行動をより強化する、
好子としての強さが大きく変わるのですね。
好子としての強さを確立する、
先行条件の操作のことを「確立操作」というのです。
分かりやすい例でいうと、上の例のように、
「遮断」されていて、出てくる好子や嫌子か、
「飽和」していて、出てくる好子や嫌子ではその強さが違うというと、
イメージが分かりやすいのではないでしょうか。
この時の「遮断」することや、
「飽和」させることを「確立操作」といいます。
動物のトレーニングをする際には、
エサを好子として使うことが多いのですが、
よりそのエサを魅力的なものにするため、
食事を「遮断」してから、トレーニングに臨むようにするそうです。
その他にも、いろいろあります。
例えば同じ「お菓子」であっても、
「期間限定!」
「ご当地限定!」
「先着10名まで!」
とすると、
その価値が高まり、「買う」という行動がどれだけ強化されるかも変わってきます。
分かりやすい確立操作ですね。
同じ「ダイエットグッズ」であっても、
「〇〇大学教授推薦!」
「30kgの減量成功したあの芸能人のお墨付き!」
というような確立操作でも、
やはり変わってきそうです。
・・・そして流行りすぎて、
皆が持って当たり前になってくると、
今度はそんなに欲しくない。
これも確立操作です。
毎日毎日、「君はすごいよ!」と褒めてくれる上司の承認の言葉と、
普段はあまり褒めてくれない上司からの、
レアな「君はすごいよ!」という承認では、
かなり行動に与える影響も違いそうです。
最近は、褒めることで部下の動機づけを図ろう、
育成につなげようというやり方が主流となってきていますが、
この確立操作の効果も、頭にいれておいて、
うまく「さじ加減」を図る必要がありそうですね。
本日の日課 64点(がんばれニッポン!)
(日課とは、オリジナルで作製した「行動アシスト手帳」に書かれている毎日やる25項目のうち、何項目やったかを点数化したものである。どんな項目かはナイショ。)