「ちゃんとしなさい」ではちゃんとしない。
2018/11/01
今日は日帰りで京都へ!
立命館大学様で、
ABA(応用行動分析学)マネジメントの研修を実施してまいりました。
実は、本来は7月6日に行う予定だった研修なのですが、
記録的な大雨になった「平成30年7月豪雨」のため、
移動中に中止になったのでした。
今回、運営される人事の方が、
再度やりたいということで復活させてくれた研修。
今回は無事、努めてまいりました。
よかったです。
さて、本題です。
ついつい言いがちな「ちゃんとしなさい」。
これ、一番改善につながらない、NGワードなのです。
★「ちゃんとしなさい」ではちゃんとしない。
ABAマネジメントでの行動改善の手法において、
いくつかのNGワードがあります。
その代表的な言葉が、「ちゃんとする」です。
「しっかりする」も同じですね。似たような言葉です。
よく、望ましい行動が出ていないときに、
この言葉を使って指導することがあります。
「もっとちゃんとしなさい」
「ちゃんとやっておいて」
「ちゃんとしなくてはダメ」
非常によく使われるのではないでしょうか。
しかし、これではなかなか現実的な行動改善にはつながりません。
なぜか。
それは、おそらくなんとなく分かられているかと思いますが、
具体性がない、という点です。
具体的ではないから、
人の感覚、それまでの経験や自分自身の思い込み、
それらでいくらでも程度は変わってしまいます。
個人単位での違いだけではなく、
時間によっても変わります。
最初はここまで「ちゃんと」と思っていても、
だんだんとその基準がゆるくなり、
とりあえずここまでやっておけば「ちゃんと」しているといえるだろう、
と、悪意なく、下がっていってしまうのです。
外からみて、
それは「ちゃんと」していない、といくら言っても、
本人には伝わりません。
「ちゃんと」やっているのに、
なんでわからないのか、「ちゃんと」みていないからではないか、
というような、不毛なやりとりになり、
人間関係にも悪影響がでます。
「ちゃんと」というのは、
何をどこまですることなのか。
文章を作る作業を、何ページ分つくること
提案書に、金額の比較の要素をいれて、誤字脱字なくつくること
お客様の訪問を予定の件数の30件訪問して、ヒアリングシートを全社分作ること
「ちゃんとやって」ではなく、
上記のものをいつまでにやって、との指導ができるかどうか。
現実的な行動改善につながるための、
伝え方です。
同様に、
「ちゃんとできない」
というのは、
作業のどの段階の行動が、どれくらいのレベルでできないのか。
それを見つけて、
その点を指導すれば、
現実的な行動改善が結果として早く実現します。
いつまでも「ちゃんとやって」というような指導な仕方で、
「ちゃんとやらない」部下が悪い、とならないように。
「ちゃんとできない」のは、
具体的なレベルでの指導ができない、
上司の問題のほうが大きいのです。
★具体化をいかにするか。
抽象的な表現を、
具体的な行動にしていくことは、
ABAマネジメントの最初の一歩です。
課題分析、デッドマンテスト、ビデオカメラテストなどの手法により、
具体的な行動レベルにしていくことができます。
箸の持ち方ができない子に対して、
「ちゃんと持ちなさい」と指導しても、
なかなかできるようにはなりません。
まずは、自身でやって見せて、最初からの行動を段階的に教えて、
そして、やらせてみて、
躓いているところを見極めて、
繰り返しやらせてみて、
最終的にできるようになるのです。
結果、こちらのほうが早く身につくのです。
本日の日課 68点(半日立ってしゃべっていたので、カロリー消費したかな)