今回はちょっと趣向を変えて、私が今まで読んだ本の一部を紹介していきます。
応用行動分析学(ABA)×産業・組織の領域で参考になる本です。
なお、この記事は完全に私の主観で、その本の良し悪しを言っているわけではありません。

難易度:専門家ではない一般の人が読む難易度(多いと難しい)
ユニーク度:他では中々見られないような内容か
八重樫オススメ度:八重樫の独断と偏見によるもの

※随時更新していきます:7月5日更新

[1] 経営革命大全(ボイエット&ボイエット著、金井&大川訳)

様々な経営やマネジメントに関して幅広く紹介しています。
その中の一部としてGilbertという著名な行動分析家が出てきます。
ABAを基軸に産業場面へもどのように適用したのか知ることができます。
日本語でGilbertのマネジメントを学べる貴重な本です。
読み物としても、短編集みたいで非常に読みやすいです。

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難易度:☆
ユニーク度:☆☆
八重樫オススメ度:☆☆☆

[2] パフォーマンス・マネジメント―問題解決のための行動分析学(島宗)

行動分析学を使って、どのように問題解決していくのか、ストーリー形式で書かれています。ストーリー形式なのでわかりやすく、日常や学校、ビジネス、スポーツなど様々な場面での活用が紹介されています。
私が行動分析学に足を踏み入れるキッカケとなった本で、非常に読みやすいです。
しかもただ読みやすいだけではなく、ちゃんと用語の定義や分析例なども豊富に盛り込まれています。
実践に興味はあるが、まだ行動分析学を専門に勉強したことはないという方へ特にオススメです。

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難易度:☆☆
ユニーク度:☆☆☆
八重樫オススメ度:☆☆☆☆☆

[3] 応用行動分析学―ヒューマンサービスを改善する行動科学(島宗)

まさにABAの教科書、バイブル的な本です。ABAの用語や考え方はもちろん、最近の研究まで紹介されています。情報量が多く、引用もしっかりついており、とても丁寧な1冊です。
これほど深く、多様な内容をまとめられているのは感動します。全くの初学者にはキツイと思いますが、完成度がめちゃめちゃ高いので何回も読み込む価値大です!
個人的イチオシです!(なんなら皆に読ませたい)

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難易度:☆☆☆
ユニーク度:☆☆☆
八重樫オススメ度:☆☆☆☆☆

[4] 一事例の実験デザイン―ケーススタディの基本と応用(バーロー&ハンセン)

行動分析学とはシングルケースデザインであると言っても過言ではないくらい重要な内容です。
シングルケースなくして、行動分析学は語れず、データに基づいた実践もできないので、深い理解を望むのであれば必須です。
また、日本語でシングルケースをメインに書かれている本は数冊しかないので、読む価値ありです。

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難易度:☆☆☆☆
ユニーク度:☆☆☆
八重樫オススメ度:☆☆☆☆☆

[5] 行動分析学マネジメント-人と組織を変える方法論(舞田・杉山)

[舞田竜宣, 杉山尚子]の行動分析学マネジメント-人と組織を変える方法論 (日本経済新聞出版)

行動分析学とは何かから、マネジメントへの応用まで一般向けに簡単な言葉で書かれています。
行動分析学の基本的な理論をベースに、産業場面での例を使って解説しています。
産業・組織領域で行動改善やパフォーマンス向上に取り組みたい方は、イメージが湧きやすく、取っ付きやすいと思います。

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難易度:☆
ユニーク度:☆☆☆
八重樫オススメ度:☆☆☆☆

[6] Human Competence (Gilbert)

「行動工学」と呼ばれ、Skinnerの行動科学を産業領域に持ち込んだ第一人者Gilbertの名著です。
行動分析学では、結果操作による介入を使いがちですが、Gilbertは安易な結果操作よりも、行動自体を補助する道具やJob aid、先行事象操作として情報の重要性を訴えています。
また、「Engineering Worthy Performance」とサブタイトルであるように、単純な行動変容ではなく、価値のあるパフォーマンスを設計するという、より産業・組織領域で必要とされることを重視した内容です。

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難易度:☆☆☆☆
ユニーク度:☆☆☆☆☆
八重樫オススメ度:☆☆☆☆

[7] Performance Management (Daniels & Bailey)

[Aubrey C. Daniels, John S. Bailey]のPerformance Management: Changing Behavior that Drives Organizational Effectiveness (English Edition)

パフォーマンス・マネジメントの名著中の名著です。
英語が読めて、行動分析×産業・組織に興味ある人は全員読むべき本。
著者のAubrey C. Danielsは、Aubrey Daniels International (ADI社) という行動分析学ベースでパフォーマンス・マネジメントのコンサルタント会社を設立した人で、数え切れないほどの実績を残してきました(パフォーマンス・マネジメントや組織行動マネジメントという分野を構築したのもDanielsです)。
英語を抜きにしても、単なるビジネス本では収まらず、行動分析学の哲学的側面から、現場でのパフォーマンス・マネジメントまでイラスト付きで記載されています。

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難易度:☆☆☆☆☆(英語であることも含めて)
ユニーク度:☆☆☆☆☆
八重樫オススメ度:☆☆☆☆☆

[8] Bringing Out the Best in People (Daniels)

[Aubrey C. Daniels]のBringing Out the Best in People (English Edition)

組織行動マネジメントやABAの産業適用についての基礎がめちゃくちゃ詰まっている、同じくDaniels の名著です。
先に挙げたPerformance Managementよりは気軽に読めます。
現場でいかにわかりやすく、かつデータに基づいた実践をするかに重きが置かれています。
目標設定やフィードバック、業績評価、リーダーシップなど、ビジネス領域では基本的な取り組みも、行動科学の観点から解説し、いかに実践していくか記載されています。

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難易度:☆☆☆☆
ユニーク度:☆☆☆☆
八重樫オススメ度:☆☆☆☆☆

また実は、上記のこの本は本格的な組織行動マネジメント(OBM)の本で唯一日本語化されている本でもあります。
日本語版はこちら。

[9] ベストを引き出せ―部下の業績を最大化する (Daniels)

Bringing Out the Best in Peopleの日本語版。
唯一日本語訳されているという点では非常に貴重な本なのだが、翻訳がちょっと残念(ビジネス本チックになっている)。
翻訳者も行動分析学の専門家ではなので、ある程度しょうがないと割り切って、どんな内容が書かれているのかみるのは一見の価値ありです。
ただ、英語が読める方は原本を読むことをオススメします。
幸い今なら、Performance ManagementもBringing Out the Best in Peopleも、どちらもKindleでテキスト選択できるので、DeepLなどの翻訳ツールも使えます。どうしても英語が苦手な方は検討してみるといいかも。

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難易度:☆
ユニーク度:☆☆☆☆
八重樫オススメ度:☆☆

 

以上となります。
とりあえずパッと思いつくものを紹介しましたが、他にもオススメなどあれば教えてください。
ではまた。

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