どうして世の中の人事評価制度はうまくいかないのか。5つの理由その5。
うちの家族は納豆が苦手なんです。
でも、僕は大好きなんです。
なので、僕が、
「納豆なんてみんな大好きだよ。ふつうは食べるよ。」
といったら、
「納豆食べられる人が地球上に何人いると思っているの??」
と言われたので、
「さ、35億。」
「あと5000万。」
さて、本題です。
今日はシリーズ「どうして世の中の人事評価制度はうまくいかないのか。」のその5。
最後です。
拙著、「A4一枚評価制度」から抜粋です。
人事評価制度がうまくいかない理由、最後の5つめは、
「そもそもうまくいかないもの」
です。
その会社のやり方の間違いとか以前の問題で、
人事評価制度を行うということ自体がそもそもうまくいかないような構造になっているものなのです。
なぜ「そもそもうまくいかないもの」なのか、
少し詳しく見ていってみましょう。
そもそもうまくいかないもの
1. 重要度・緊急度のマトリックス
上の図のようなマトリックス(碁盤・行列)を
ご覧になったことがありますでしょうか。
これは、よく仕事の優先順位を考える際に用いられるマトリックスです。
いくつかやらなければならない仕事がある際に、
その仕事の「重要度」はどれくらいなのか、
「緊急度」はどれくらいなのか。
さて、人事評価制度に関すること、
例えば運用とか目標を作ることとか、
自分の課題を見つめ直すというようなことは、
この右の図のどこら辺りに位置するものでしょうか?
緊急でしょうか?それともそんなに緊急ではないでしょうか?
重要でしょうか?それともそんなに重要ではないでしょうか?
このような質問をすると、
ほとんどの人が「重要だと思うが、緊急ではないかな」という回答をされます。
その通りで、やはり非常に重要だとは思いますが、決して緊急なものではないですね。
あと1時間で締め切りだ、今日中に見積もりださなければいけない、明日までにレポートをまとめないと・・・。
もっと目の前に緊急な仕事はたくさんあるわけです。
それに比べて、人事評価制度に関わる業務は、
締め切りのあるシートの提出時や、
評価をつけるときにだけ緊急度が高まり、
その時以外は別に後回しでもよいことばかりなのですね。
目の前の緊急な仕事はたくさんありますが、
その中にも本当やってもやらなくても、
あまり大きくは影響のない仕事というのもたくさんあります。
でも、締め切りが迫っていたりして、
緊急度が高い場合はそちらを先にやってしまって、
それらが全部片付いたら、緊急ではないけれど、
重要なことをやろうと大抵の人は選択してしまいます。
しかし、実際に職場で仕事をしていると、
次から次へと仕事が舞い降りてきて、結局いつまでたっても第2象限の仕事には辿りつかずに、
気が付いたら時間ばかり経過して、すでに期末になってしまった、
などということがたくさん見られます。
本来は、数字の順番にもあるように、
第1象限→第2象限→第3象限→第4象限の順で優先順位をつけるべきなのですが、
人間は残念ながら、右の図の×のついている矢印のように、
第1象限→第3象限→第2象限→第4象限
の順で選択してしまうのですね。
これは、その人の意識が低いとか、考えていないとか、
そのような問題ではなく、誰でもそうなってしまうのが事実だと捉えましょう。
意思や気持ちのせいにしては、そこで思考停止になってしまって改善につながりません。
この優先順位のマトリックスは何も人事評価に限らず、
普段の仕事や生活、ちょっと大げさですが人生においても大きな意味があります。
よく、「第2象限」を制する者が、成功者になるというような言われ方をします。
「第2象限」は中長期的な成果につながるものなのです。
緊急ではないが、重要なものにどれだけ優先順位をつけて取り組んで行けるか、
意思の力のせいにするのではなく、
仕組みとしてそちらをやるような形にもっていかないとなかなかうまくいきません。
緊急ではないが、重要なこと。
人材育成や組織風土改善も同様なことですね。
この第2象限を制する企業が、持続成長ができる企業になのです。
「うまくいかない理由」を個人的なものの理由にしてしまうと、
そこで思考停止に陥って、結局改善につながりません。
それよりも構造的な問題と捉えて、それに対してどう対策していくのか。
そちらの方がより現実的な改善につながるのではないでしょうか。
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本日の日課 64点 (ブルゾンちえみは個人的には微妙)
(日課とは、私のオリジナルで作製した「行動アシスト手帳」に書かれている毎日やる25項目のうち、何項目やったかを点数化したものである。どんな項目かはナイショ。