「消去バースト」。ちょっと使えるABA(応用行動分析学)。
2018/02/06
シリーズ「なぞなぞ」。
【消えた1ドル】
A、B、Cの3人がホテルに泊まり、
ホテル代一人10ドルずつ、合計30ドルを払いました。
しかし、本当のホテル代は25ドルだったため、
ホテル側は、3人に5ドルを返すようにと、
ボーイに5ドルを渡しました。
しかし、ボーイはこっそり2ドルくすねてしまい、
残りの3ドルを3人に1ドルずつ返しました。
3人は最初に10ドル払って、1ドル返してもらったので、
一人9ドル×3人で、27ドル払ったことになります。
ボーイがくすねたのは2ドル。
さて、1ドルはどこへいってしまったのでしょう?
回答はgoogle先生に聞いてね。
さて、本題です。
「消去バースト」。ちょっと使えるABA(応用行動分析学)。
ちょっと使えるABA(応用行動分析学)のお話。
本日は「消去バースト」の原理をお伝えします。
「消去」については、おとといのブログで。
↓
で、それまで強化されていた行動が、
消去される前には、一時的に行動が爆発します。
この現象を知っておくと、
消去をやるべきかどうか、危険性も含めて考えられるようになります。
行動が「消去」されるときについてくる、
面白い現象の「消去バースト」。
バースト?という言葉のイメージがぴったりの、
大変面白いこの現象をお伝えします。
【消去バースト】
「強化されていた行動が、消去される前に、
一次的に爆発的に行動が増える現象」
これも、まずは例をみていただくと分かりやすいかと思います。
【消去バーストの例】
・朝、リビングの電気をつけようと壁のスイッチを押したが、 電気がつかない。
何度もスイッチをガチャガチャ押したが、
結局つかなかったので、スイッチを押すのはあきらめて、そのままにした。
元々は、スイッチを押すという行動は、
電気が付くという好子が出現することによって、強化されていました。
ところが、電球が切れたか何かで、
スイッチを押しても電気がつかないと(好子が出現しない)と、
スイッチを押す行動はしなくなります。(消去される)
ところが、この消去される直前に、
一時的に行動がたくさん増えたり、強さが強くなったりします。
これが、「消去バースト」です。
・自動販売機で、ボタンを押しても缶ジュースが出てこないと何度もボタンをたたく。
・ボールペンで字を書いていたが、途中からインクが出なくなったら、
強くグルグルとペンを押し付ける。
・子どもが泣いていたら、いつもお母さんが構ってくれていたのに、
構わないようにしたら、もっと泣くことがひどくなった。
消去バーストは、これをうまく活用しようというよりも、
行動が消去される前には、この現象があるということを知っておきましょう。
実際に、消去は、ダメな行動、望ましくない行動をやめさせたい時に用いることが
多くなります。(アメ無しで行動を減らす)
しかし、今まで強化されていたものを消去しようとするときには、
多かれ少なかれ、必ずこの「消去バースト」が起きてしまうのです。
好子を出現させない、もしくは嫌子を消失させなければ、
最終的には行動は消去されます。
ただし、その過程で起きる消去バーストのときに、
反応してしまったりすると、さらに強化されてしまって、
ダメな行動がなかなか消去されない、ということが起きてしまいます。
もっと行動すれば、
もっと強くすれば、
もっとたくさんすれば、
好子がでてくるのでは、と学習してしまうのですね。
消去する際には、消去バーストがあることを分かっておきましょう。
本日の日課 60点(消去バーストがあるおかげで、次の行動の獲得につながります)
(日課とは、オリジナルで作製した「行動アシスト手帳」に書かれている毎日やる25項目のうち、何項目やったかを点数化したものである。どんな項目かはナイショ。)