榎本あつしのBLOG(人事制度の学校・評価をしない評価制度・A4一枚評価制度とABA:応用行動分析学)

人事制度や社労士やら応用行動分析学の研究やら猫やら馬やら庭やらで毎日過ごしています。

自律型社員の育成、その2。なぜ自律型社員が育たないか。

2020/03/25

東京オリンピックは1年延期になりそうでしょうか。

 

東京オリンピック2021?
それとも、2020+1?

 

何とか乗り越えて、
こんなこともあったと、話せるようになりたいですね。

 

そうそう、SNSでもたくさん出回っているみたいですが、
ここで思い出すのは、私のバイブル「MASTERキートン」3巻のこの話です。

 

「屋根の下の巴里」

 

 

ああ、私は今何をやっているのだろう。

 

もっと勉強をせねば。
またキートン君を全話読まねば。

 

さて、本題です。

 

自律型社員の育成、その2。なぜ自律型社員が育たないか。

 

なぜ自律型社員の育成が難しいか、
を考えてみましょう。

 

これだけ、どのような会社でも「必要だ」「ぜひ欲しい」といわれている、
自律型社員。

 

それなりに、
企業も育成に取り組んでいるはずです。

 

にもかかわらず、
なぜ、それができていないのでしょうか。

 

実は、複雑な事情とか、
難しい理由があってできていないのではありません。

 

できていない理由は、明確です。
ほぼどの企業も同じ理由です。

 

単純で、単一です。

 

 

それは、

 

 

「緊急度が低い」

 

から。

 

誰でも知っていることなのですが、
実はこれが、覆すのが非常に難しい構造的問題なのです。

 

次のようなマトリクス図(行列図)、
どこかでみたことがありませんでしょうか。

 

 

第一象限は、重要度も緊急度も高いゾーンです。

第二象限は、重要度は高いですが、緊急度が低いゾーン。

第三象限は、重要度は低く、緊急度が高いゾーン。

第四象限は、重要度も緊急度も低いゾーンです。

 

さて、人材育成という取り組みは、
このマトリックスのどこに位置するものでしょうか。

 

重要かそうでないかと、
聞くと、ほぼ全員が「重要だ」と答えます。

 

しかし、緊急かどうかというと、
緊急ではない、ということになります。

 

人材育成という取り組みは、
重要だけれど緊急でない「第二象限」に位置する最たるものなのです。

 

そして、残念ながら我々企業の管理者は、
第一象限の次に手を付けるのは、第二ではなく第三象限。

 

あまり重要ではなくとも、
締め切りがすぐそこにある、
目の前でお客様が待っている、
そのようなことを優先してしまいます。

 

そして、いつまでも部下の育成が進まぬまま、
「自律型の部下はどこかにいないか・・・」と、
いつまでも来ないものを探しているのです。

 

〇自律型社員の育成は、中長期的取り組み

 

このように、企業において、
とりわけマネージャーもプレイヤーの仕事をしていることがほとんどの、
日本の中小企業においては、計画的な人材育成がほとんどされていない状況です。

 

逆に考えると、これはチャンスであり、
いち早く人材育成の仕組みを作り上げて、
少し先の成果を目指す企業体質を作り上げたところが、
今後勝ち残る企業となっていくのです。

 

「第二象限を制する者が成功する」

 

重要だけれども、緊急でない、
この「第二象限に位置する中長期的取り組み」を、
着実に進めていく者が成功することができるのです。

 

人材育成は、今何かに取り組んだから、
すぐに目に見えて変わったかどうかが見えにくいものです。
(だから取り組めない)

 

実はこれもABA(応用行動分析学)マネジメントで考えると、
とても分かりやすく分析できます。

 

 

「行動の強化の原則」で、
行動した直後に良い結果(好子)が出るのではなく、
かなり遅延して好子が出現するから、というように分かってくるようになります。

 

逆に、行動に影響を与える直後の結果には、
嫌子が出現していることが多い。

 

この原理原則が分かれば、
遅延して出てくる好子を、
工夫により直後に出現させるなどの改善取り組みを作り出せるようになります。

 

上記の図のように、
先に育成にかける時間を、枠として確保しておくと、
「時間がないからできない」という嫌子の出現がなくなってきます。

 

育成に取り組んでいること自体を評価するようにすると、
実際にはまだまだ育成途中であっても、
上司にとっては「評価」という好子が出現するようになります。

 

このような、前後の環境の変化に介入し、
行動を置きやすくすることが、ABA(応用行動分析学)マネジメントだからこそできるアプローチです。

 

また、すぐに結果が出ない、
だからこそ、少しでも行動が変わったかどうかの測定は大事だったりします。

 

改善の見える化をして、
手ごたえ(これも好子)を、
意図的に示せるようにしていきましょう。

 

次回は、「自律型社員の定義から具体的行動へ」をお伝えします。

 

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