P・Fの効果その2。配送ドライバーの出発時間を早めた研究。
2021/01/30
この顔。
10年一緒に住んできたからわかりますが、
これは、
「いいからごはんよこせ」
です。
さて、本題です。
P・Fの効果その2。配送ドライバーの出発時間を早めた研究。
2001年に発表されたアメリカでの配達ドライバーの研究です。
パフォーマンス・フィードバックにより、
各ドライバーの出発時間が早くなるという結果が出ています。
ドライバーの出発時間は、
仕事においてはかなり重要で、
これを早くすることには非常に意義がある取り組みでした。
結果としては、パフォーマンス・フィードバックを行うことで、
実際にこの出発時間が早まっていくという結果に至っています。
【時間の貼り出しによりドライバーの出発時間が早まる】
出典:Natalie Nicol & Donald A. Hantula (2002) Decreasing Delivery Drivers'Departure Times, Journal of Organizational Behavior Management,
21:4, 105-116, DOI:10.1300/J075v21n04_07
時間の測定は「サインアウトシート」という、
自分で記録するシートの出発時間を拾っていっています。
その後、運送の管理者から、
その出発時間をランチルームに貼り出すという、
「パフォーマンス・フィードバック」=「事実の振り返り」をしました。
すると、2つのグループでともに、
実際の出発時間が早まるという結果に至っています。
この実験のポイントは、貼りだした数字は、
個人の数字ではなく「グループ全体」の数字であるということ。
そして「評価はしない」ということです。
個人の成績を貼り出すということは、
営業系の業務を行っている組織では結構あることだと思います。
しかし、その貼り出すことの目的は、
どちらかというと危機感をあおる、
競争心を高めるというようなもので、
プレッシャーを与えて動かそう、
というようなものが多いのではないでしょうか。
そうなると、いろいろと弊害が出てきてしまいます。
仕事すること自体が嫌になる、
周りとの比較ばかりする、
上の成績の人は調和のためにセーブするようになってしまう・・・。
「事実の振り返り」だけをして、
それ以上のことはしなくていいのが「パフォーマンス・フィードバック」の大きなメリットなのです。
この実験では、一か月間は何もせずに出発時間を測定しています。
左側の「Baseline1」は、その数字をグラフ化したものです。
その後、グループの時間を貼り出すという「パフォーマンス・フィードバック」を実施、
「Feedback1」で時間が早まっています。
その後、貼り出しを止めています。
それが「Withdrawal」というところ。
貼り出しを止めると、
時間が少し戻って遅くなっています。
再度「Feedback2」で貼り出して時間が早まり、
次にまた「Withdrawal2」で貼り出しを止めても、
出発時間の早まりは維持されていく、という実験データになっています。
これは、この実験期間に、いろいろな外部環境の要素がある中、
「出発時間を貼り出す」ということが、ちゃんと効果があるかどうかの実験、
そしてそれは定着していくということを証明しています。
毎日の「パフォーマンスの記録」で、
十分な効果が出てくるのです。
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(日課とは、オリジナルで作製した「行動アシスト手帳」に書かれている毎日やる25項目のうち、何項目やったかを点数化したものである。どんな項目かはナイショ)