前回の記事では、

強化スケジュールとはどういうものかという解説と、

代表的なスケジュールを紹介しました。

強化スケジュールとは

今回は強化スケジュールの役立て方について書きたいと思います。

連続強化スケジュール

連続強化スケジュールは行動する度に毎回強化するので、

行動と強化子が強く結びつきます。

そのため、行動を形成・獲得させやすいです。

強化する行動が、現状少ない回数しか行動しない、

またはヒントや手助け(プロンプト)がないと全く自分から行動しない、

このようなときには非常に有効です。

しかしデメリットもあります。

それは消去されやすいことです。

専門用語ばかりだとわかりにくいので、日常で考えてみましょう。

 

 

 

 

全く勉強しない子供がいます。

あなたはその子供の勉強行動を増やしたいと思って、

子供が宿題する度お小遣い(強化子)をご褒美として毎回あげていました(連続強化)。

ある時あなたは「このままではお菓子がないと勉強しなくなってしまう」と考え、

宿題してもお小遣いをあげなくなりました。

今後、この子供はどうなるでしょうか。

そう、宿題する行動が減ってしまう可能性があります。

 

 

 

 

 

 

このように、連続強化スケジュールは、

行動を増やすとても有効な手法ですが、強化子が与えられなくなると、

短期間で増える前の行動数に戻ってしまいます(消去されやすい)。

間欠強化スケジュール

間欠強化は条件によって強化されるときもあれば、されないときもあります。

なので、連続強化よりも消去されにくいです。

 

消去されにくいことのメリットは、

・毎回強化しなくてもいいので、費用や労力など、コストが抑えられる

・ご褒美を毎回あげなくても、行動が増えたままになる

などがあります。

 

よくギャンブルがなぜやめられないか?

が問題となっています。

多く見られる回答は、

・意思が弱いから

・だらしがないから

・決意が足りないから

などです。しかし、これらの心的概念を使わなくても行動論的に説明できます。

ギャンブルは毎回必ず当たるわけではなく時々当たりますよね。

なので、間欠強化スケジュールで強化されていると考えられます。

そして、上述の通り消去されにくいので、1回や2回外れて強化されなくても

高い頻度のままでギャンブル行動を繰り返します。

 

 

 

 

 

 

このように、問題行動が間欠強化スケジュールで強化されている場合は、

連続強化よりも減らすのに苦労するかもしれません。

また、間欠強化はある程度自発する行動に対して効果的で、

今まで行動したことがない行動に対しては微妙です。

人材育成への応用

ではこれらの強化スケジュールをどうやって役立てるか、です。

例えば、人材育成・指導を行う場合に、強化スケジュールの特徴を抑えておけば、

まだ見についていない行動や少ない回数の行動→連続強化スケジュールで強化していく

すでに身についている行動やある程度自発する行動→間欠強化スケジュールで強化していく

と考えることができます。

 

部下にある行動を身に着けてほしい場合、最初は行動する度、強化してあげる。

しかし、ずっと連続強化では、

行動を逐一観察しないといけない、たまに強化しなかった時があると行動が減りやすい、

と教育・指導する側も非常に大変です。

そこで、連続強化から間欠強化に切り替えると、

たまに強化されない場合でもギャンブルの例のように自発して行動することが多くなります。

 

重要なのは使い分けですね。

①増やしたい(強化したい)行動は何か

②その行動は現在どのくらい自発するのか、または行動できるものなのか

③その行動状態によって連続強化から始めるべきなのか、間欠強化からなのか

同じ強化子を与えるにもこれだけ考えることがあります。

 

人材教育においてよく使われる「アメ」。

全く同じ「アメ」でも与え方(強化スケジュール)によって影響が異なります。

 

前回、今回と2回に渡ってご紹介した強化スケジュール。

一般の方には馴染みがなかったかもしれませんが、人材教育でも使えると思います。

難しく考えなくても、毎回かたまにか、くらいだけでも考えると面白いですよ。

ではまた。

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