久しぶりの更新ということですが、さっそくためにならない雑談回です。

先日、9/13(金)に日本心理学会でシンポジウムをイデアラボさんと共同で行いました。

産業場面での心理学について、イデアラボさんは社会心理学の基礎と応用について、明星大学丹野先生と私は行動分析学の基礎と実践ついてお伝えしました。指定討論者は専修大学の澤先生でした。

シンポジウムを終わってみて、私なりに思ったことや再確認したことについて書いていきます。

ストーリーではなくデータで語ることの重要性

シンポジウムが終わった後にある方に言われた一言

「自分は基礎だからよくわからない点もあったけど、お話だけではなく、ちゃんとビジネス場面のデータを出していたのがよかったよ」

なんでもない、当たり前のことなのですが、うれしかった言葉でした。

私が常日頃考えていることと全く同じです。

ビジネスのコンサルタントのお話や学会の口頭発表などを聞きに行くと、自分が実践したデータを一切出さずに、理屈や理論、知識などをメインに語っていることがたまに見受けられます。

また、データはあっても介入するにあたっての、集団データばかりです。

「近年の○○市場では△△というデータがあるので…」

みたいに。

集団データは確かに介入するにあたって、非常に役立つものではありますが、一番重要なことは、実際に実施した介入や戦略がどうだったのか?ということだと思います。

これを出さずにその人が専門とする分野の理屈や理論を語られても、正直ピンとこないんですよね。

「で、結局どうだったのか、データで語れや!」

と思ってしまいます。

どんなに先行研究でその効果が認められていても、目の前のケースにおいて有効かは、「やってみなければわからない」と思っています。どんなケースにも確実に有効な介入方法なんてないですし、そのような言い方をしているサービスはインチキだと思っています。

だからこそ、実践対象である目の前のデータを丁寧に扱い、介入後のデータを追っていくことは、サービスとしてお金を取る以上当たり前の姿勢です(私個人の意見です)。

ビジネスとしての難しさ

先述した通り、私は絶対に有効な方法なんてないと思っています。

特にビジネス場面なんて、スキルや経歴もバラバラな不特定多数の人が係っています。

しかし、そのコンサルは実際に有効だったのか、なんてほとんどのビジネス人は重要視していません。それより本当に有効かどうかはわからなくても、「これが正しい!」と断言してくれるコンサルのほうが、人気あります。

ここに、私がやりたい行動分析学に基づいたコンサルと矛盾が生まれます。

行動分析学では何が行動を増やす強化子として働くかは、行動データに基づいて決まります。あらかじめ、こういう刺激を与えれば行動が増えます!というのではありません。

ある種実験的に、探索的にデータ分析しつつ改善していきます。

そのため、コンサルとして介入する前に、「これが正しい!」と言えないのです。

なので、お客さんからすると「え、やってみないとわからないの?どうすればいいか聞いているのに…」となりがちです。

これはもっともなお言葉なのですが、100%有効というのはないので、嘘をつくわけにもいかず、いつもプレゼンに苦戦します。

この壁をどう超えて、コンサルしていくか。依頼を請け負うか。

今後の私の課題です。

ではまた。

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