すごく久々の記事更新です。リハビリがてら、頭の中で出てきたものを垂れ流してみました。

行動分析学(またはABA)の考え方は非常にシンプルで現実的なものです。
不必要に概念を用いることもせず、自分たちが今直接関われることに目を向けるので、初めて聞いて興味を持つ方もいます。
ただ、多くの初学者が最初に躓くのが

「言ってることはわかるようになってきたけど、いざ自分で実践しようとするとどうしたらいいかわからない」
「自分の組織へABAを導入しようとしてもうまくいきません。職場の人がABAを理解してくれません。」

ということです。
皆が皆、周囲に相談できる行動分析家がいたり、職場や上司から指導(実践に関して)が受けられる環境ではないと思います。
知識から実践へが中々に難しく、特に現場では行動分析学の文献には書いていないことが多数あります。
どうやって関係性を築いたのか、実践に周囲の不満はなかったのか、介入は誰がどのように生み出して受け入れられたのか、実践する許可や承諾はどのような過程でクリアしたのか、などなど…

その現場でなければわからない、文献には書ききれない細かな制約が沢山あります。
そんな中、今回は自分の組織へ行動分析学の知見やアプローチをどうやって導入していくかについてお伝えしていきます。
もちろん、職場や組織によって環境は様々ですので、正解はないですが、ヒントとして考えていただければと思います。

前提

はじめにも書きましたが、「本人が行動分析学に興味を持ち、実践してみようとしたが、職場の人はよく思っていない(あるいは行動分析学とは全く異なる考え方をしている)」というケースは非常によく聞きます。
しかし、まず最初に以下の事項を確認しておきましょう。

行動分析学導入の目的は何か

・行動分析学の専門用語を使ってケースを説明できること?
・心的事項(意志とかやる気とか)を原因に行動を説明しないこと?

ありがちですが、このままで組織へ導入しようとするとうまくいかないことが多いです。
なぜかというと、導入される組織に所属する他の従業員はそのことに価値を感じないからです。
本人は興味を持ち、ABAはいいものだと思っていても、他の多くの人はそうではありません。
その中でいくらABAの良さや魅力を伝えても「じゃあ一緒に標的行動決めて、取り組んでいこうか」とはなりません。

そもそも、なぜ組織へ導入しようと思うのでしょうか。
問題解決したい、パフォーマンス向上したい、対象は違えど組織へ導入する目的はこれらではないでしょうか。
そのために、本人が行動データを取ってみたり、ABC分析や課題分析してみたりはするかもしれませんが、それらも手段の1つで用語や考え方を組織へ普及するのが目的ではないはずです。
大切なことは、標的とする事項の改善に賛同してくれるかです。
そこさえ共通認識ならばOKです。ABAは必要以上に普及しようとするものでもないです。

”組織でABA実践して問題改善する組織の人がABAを理解してくれる”

こんな当たり前のことですが、意外と気づかずに「なぜ俺の職場の人は協力してくれないんだ!」という人も一定数いますので、改めての確認でした。

ヒント1:仲間を1人探す

ここからは、実際に組織でABA実践してみたいが、うまくいっていないという方へ、ヒントとなりそうなものを提供していきます。
まずは、共に行動データを取ってくれたり、改善のアイディアを考えてくれる仲間が1人でもいないか探してみましょう。
「ABA」という単語や専門用語は出さなくとも、

・今〇〇という問題があってそれを少しでも改善したい(問題の共有)
・その問題は具体的にどんなことが影響しているのか(標的行動の共有)
・まずは現状どうなのか主観ではなく客観的に確認したい(ベースライン)
・そのためにはどうやって現状を数量的に把握すればいいか(測定・記録方法の相談と提案)
・客観的に把握できたらそれを基に一緒に改善策を考えて取り組んでみないか(データに基づく介入)

ということに賛同してくれる仲間がいれば非常に強力です。
ABAのことは一切知らなくてもいいです。

ただ、組織といっても色んな組織があります。
例えば、教育現場では、ある程度「子供の成長」などが共通の価値観としてある確率が高いです。
しかし、ビジネス組織だと、「給与のため」「自分の成長のため」「楽して安定して働きたい」など価値観が異なることが多いので、問題共有の時点で「えー別にそこまでちゃんと取り組んで改善しようとは思わない」という方も沢山います。
そういう人へは「なぜわかってくれないんだ!」となるのではなく、一旦置いておいて、賛同してくれる仲間が他にいないか仲間探しへいきましょう。

ドラ○エ風でいったらこんな感じでしょうか。

あなた「火山のダンジョンにいるレッドスライムを倒しにいきたいんだけど一緒にいかない?そのためにどのステータスあげるのがいいかな?」
仲間「いいよー。やっぱ賢さじゃない?」
あなた「賢さか!じゃあ今のステータスが適切かどうやって確認しようか」
仲間「いまの魔法で周辺の魔物へどの程度のダメージ与えれるか記録してみたら」
あなた「なるほど、その値を基準に考えればいいのか。」
~賢さ記録中~
あなた「OK!だいたい今の自分達の現状がわかったよ。でもまだ賢さが足りない。どうやって上げようか?」
仲間「杖を装備して上げようか。それとも、ノーマルスライムで経験値稼ぎしてレベルアップで上げようか。いや、〇〇という方法も…」
あなた「それぞれの戦略のメリットとデメリット、コストはこのくらいで…。」
仲間「なるほど、それならとりあえず経験値稼ぎから入ってみるか。」
~経験値稼いで賢さアップ中~
あなた「よし、賢さが大分上がった気がする!どのくらい変化したのか、また記録を振り返ってみよう。」
仲間「おおー、これなら十分レッドスライムも倒せるんじゃないか!」

To Be Continued(続きません)

ヒント2:まず自分のパフォーマンス向上に取り組んでみる

誰も問題を共有してくれず、仲間探しがうまくいかなかったという方は、自分個人を対象に自分実験みたいなことをしてみましょう。
個人でも裁量が大きかったり、ある程度の立場だったり、比較的自由に時間やリソースを使用できるという方は個人でも組織にアプローチして問題改善の取り組みを考えてもいいですが、そんな人はレアです。
ドラ○エでいったら、勇者みたいなすごい立場ではない人のほうがほとんどです。
それこそ村人Aみたいな一般従業員がパーティリーダーの管理層へ組織改善の取り組みを提案しても、中々受け入れられないことのほうが多いです。
それでも村人Aなりにパーティ改善になんとか取り組みたい場合どうしたらいいか。

まずは個人で取り組んでみて、その取り組みと成果をまとめることから始めてみましょう。
「うちの組織の入力作業は正確性に問題がある!」
と問題共有しようとしても、言っている本人がめっちゃミスる人であれば聞き入れようとはしません。
そこで、まず自分の入力作業の正確性改善に取り組んでみるのはどうでしょう。
そもそも正確性とはどうやって定義されるのか、それはどのように記録できるのか、現状はどうか、改善のためのツールやアイディアは何があるのか、改善策導入後はどうなっているのかなどと、自分実験に取り組んでみましょう。
そこで結果をデータ付きで出せれば、組織側も少しは聞く耳を持ってくれるかもしれません。

ただ、自分個人の行動改善が成功し、それをデータと共に今度は組織へも実践してみたいといっても、受け入れられないこともあります。
その場合はヒント1へ戻って、取り組みデータありでの仲間探しをしてみてもいいですし、最悪でも自分の改善にはなっています。
ちなみに自分実験にオススメなのは、島宗先生の「使える行動分析学」(筑摩書房)です。

再度ドラ○エ風

村人A(あなた):(うちのパーティ攻撃力が足りないと思うんだよな。今度パーティとして底上げしないか提案してみよう)「すいませんリーダー、うちのパーティって攻撃力を上げたらもっと良くなると思うのですが、皆で取り組みませんか?」
勇者(リーダー):「は?ゴブリンですら10回攻撃しないと倒せないやつが何言っていんの?ダメダメ。」
村人A:「すみません…。(しょうがない、自分実験して自分の攻撃力アップに取り組むか)」

以下村人Aの攻撃アップ自分実験
「自分の攻撃のどこが悪いんだろう。一番強い勇者の攻撃の仕方と見比べてみるか…」
「勇者の倒し方を課題分析してみよう」
「ふむふむ、僕は腕を大きく振りかぶりすぎているが、勇者は脇を引き締めている。他にも、攻撃モーションに移行する際、剣とゴブリンの距離が僕はバラバラだけど、勇者は一定して3mだ。他にもいくつか違いがありそうだ。自分の攻撃モーションをビデオで取って勇者とどのくらい異なっているのか1週間ごとに現状把握しよう」
~現状把握中~
「なんと!課題分析した項目の25%くらいしかマッチしていないじゃないか。」
「うーん、どうしたら改善できるかな。そうだ、全部攻撃が終わってから振り返るんじゃなくて、毎日最初の行動連鎖の行動から1つ1つ練習しよう(剣の振りかぶりだけとか)。そして1回やったら即時にビデオで確認して自己フィードバックしよう。」
~介入中~
「よし、80%くらいはマッチするようになったし、最初は10回かかっていたゴブリンも2回くらいで倒せるようになった!」

再び勇者へ提案
村人A「勇者さんのすごい攻撃を尊敬して、こういう取り組みしたら、こんだけ成果でましたよ!」
勇者「ほう、俺は1回で倒せるが、お前も以前と比べると大分成長したな」
村人A「僕でさえうまくいったので、このパーティでも導入しみてはいかがでしょうか?」
勇者「まぁ試してみるくらいはいいか」

その後このパーティでは上記のプログラムが組まれ、他のメンバーも攻撃アップした。
こうして村人Aの「勇者の攻撃モーション課題分析による攻撃アップ実践―順向連鎖と即時フィードバックを利用して―」は無事成功した。

To Be Continued(続きません)

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Yu

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