「楽」の意味を間違えない。
ショートショート「新人」。
私の隣の席にいる新人A君。
木村部長宛ての電話を取りました。
電話先「木村部長はいらっしゃいますか?」
A君「えっと、木村部長ですね、少々お待ちください・・・」
隣りにいた私は、
「そういう時、社内の人間は、部長とか役職付けずに呼び捨てにするんだよ」
と教えてあげました。
A君「あ、はい!わかりました!なるほど!」
A君
「きむらぁー、お客様から電話!」
さて、本題です。
★「楽」の意味を間違えない。
「A4一枚評価制度」と、弊社は打ち出しています。
すると、よく次のようなご要望をいただくことが多くなります。
「【楽】に運用できる人事評価制度を作りたいのですが。」
しかし、セミナーなどにご参加いただいた方は、
お分かりかもしれませんが、
「A4一枚評価制度」は、シンプルですが、そんなに「楽」でもないのです。
成果を出すために、やるべきことはやる。
しかし、無断に手間ばかりかかる部分はできるだけ省く。
このコンセプトです。
例えば、会社は、営業や現場に関しては、
効率よりも結果を追い求めます。
100件回って、5件の成約を持ってくる営業マンと、
10件回って1件の成約を持ってくる営業マンとでは、
効率だけ考えれば断然後者ですが、
求めているのは成約の数を多く出せる前者なのではないでしょうか。
その成果を出すためには、他の人よりもたくさんの仕事をして、
量もこなして頑張る社員を求めるのだと思います。
しかし、これが管理部などの間接部門になると、
途端に成果よりも効率を求めるようになります。
「管理職が忙しいので、2~3時間で評価出来るようにしたい」
「評価後の面談の日程が取れないので、面談のない制度にしたい」
「経理総務兼務の人が、あまり時間を取られないで運用していきたい」
というような感じです。
しかし、たとえ手間も時間も取られず、
「楽」に運用ができたとしても、
効果が出ないのであれば、無駄なだけです。
ただなんとなくやっているだけで、
結局、人材の育成に繋がらず、
業績も上がっていかないのであれば、
それは「ただやっているだけ」人事評価制度なのです。
〇効果があるかどうかが一番大事である
少し厳しい言い方にはなりますが、
人材育成が片手間で楽に実現するなんてことは、ありえません。
ただでさえ、スタート時点での人材の資質では、
大手ほどの有能な人は採用できないのが、中小企業の現実です。
そんな中で、「楽に」「手間がかからず」「時間もかけずに」、
人材育成が出来るなんて虫のいい話はありません。
私はよく「人事も汗をかこう」ということを伝えています。
営業マンが必死に量をこなして成果を出すように、
人事マンも必死になって、人材育成に取り組んでほしいのです。
人事評価を徹夜でまとめたり、
面談で本気で言い合いになるなど、
泥臭く、真剣に取り組んで、それで会社の従業員が成長して、
業績に貢献する人材に育つのであれば、
それが正解の運用のやり方なのです。
「汗をかいて」人を育てるのです。
やってしまいがちな間違いは、
「運用が楽」ということが良いことだいう勘違いです。
「手間のかからない制度ができた」
「忙しい中、管理職も時間を取られず、不満が来ない」
という制度になったはいいが、
何の効果も出てこないということです。
たくさん効果が出るのであれば、
頑張ってでもやる価値があります。
逆に効果が出ないのであれば、
たとえ楽でもやらない方が良いのです。
もちろん、無駄なことばかり一生懸命やる必要はありませんので、
的を絞って効率的にシンプルに運用していく必要はあります。
「楽」な運用ばかりを求めて、
ただ「やっているだけ」に、
ならないように気をつけましょう。
運用の中で、
どう「手応え」が感じられるかどうか、
がとても重要です。
そのためにも、
目に見える形で、
育成度や成果の達成度につながるように、
評価内容を作っていく必要があるのです。
「できなかったことが、ここまでできるようになった。」
「立てた目標の、ここまで達成した。」
それぞれの個人も、
会社も、
この成功体験を積んでいきましょう。
本日の日課 56点(そろそろネタ切れ(前段も本文も))
(日課とは、オリジナルで作製した「行動アシスト手帳」に書かれている毎日やる25項目のうち、何項目やったかを点数化したものである。どんな項目かはナイショ)