「期待値」という確立操作。

今日はクリスマスでした。
あいにく出張のため、家族では過ごせませんでしたが、
プレゼントは一応、家のツリーの下に。

 

本人のインスタグラムに上がっていたので、
無事手に渡ったようです。

 

さて、本題です。

 

 

★「期待値」という確立操作。【行動分析学で人を動かす】

 

「プレゼント」は、ABA（応用行動分析学）でいうところの、
好子になることが多いです。
（厳密にいうと、行動の増減でしか好子がどうかは判定できませんが、わかりやすく）

 

「よい子にしていると、プレゼントがもらえるよ」
「悪い子だと、サンタさん、プレゼント持ってきてくれないよ」

 

ということも、よく言われたりしますね。
やはり一般的な好子と考えてよさそうです。

 

 

では、このプレゼント。

 

好子としての「強さ」は、
人によって大きく変わります。

 

去年まで、十万円以上するブランド品をもらっている人が、
今年のクリスマスプレゼントは「2万円の財布」だったら、
ちょっと残念な気持ちになったりしそうです。

 

一方、去年までは数千円のクリスマスプレゼントだったのに、
今年は「2万円の財布」だったら、
とてもうれしく感じるかもしれません。

 

このように、
同じ「2万円の財布」であっても、

 

・過去にもっと高いものをもらっていた
・過去はもっと安いものだった

 

というように、
先行条件がかわることで、
「同じ価値のもの」でも、好子としての強さは大きく変わります。

 

この違いを、
ABA（応用行動分析学）では、「確立操作」といいます。

 

先行条件である「確立操作」の違いで、
「2万円の財布」の好子としてのつよさが変わるということです。

 

一般的には、「期待値の違い」というと分かりやすいでしょうか。

 

過去の経験による違いが、
期待値の違いを生み出し、同じ商品のその人の価値を変えるのです。

 

確立操作には、過去の経験だけではなく、
他のことでも、好子の強さを変えることができます。

 

好みのタイプで、優しくてあこがれているAさんからの、
クリスマスプレゼント。

 

一方、その逆のBさんからのクリスマスプレゼント。

 

同じプレゼントでも、
大きく価値は変わりそうです。

 

「誰によるか」

 

の違いも、事前の環境の違いである先行条件ですので、
確立操作になります。

 

「期間限定」
「ここだけ」
「有名博士のお墨付き」

 

なども、
すべてその好子の強さ（その人にとっての価値）が変わる、
確立操作です。

 

動物のトレーニングでは、
「エサ」という好子をつかってトレーニングするのですが、
この際にも、よく確立操作を使います。

 

トレーニング直前に、
たくさん食べた場合では、
「エサ」が好子としてあまり機能しなくなってしまいます。

 

一方、しばらく食事を抑えておいて、
それからトレーニングすると、
「エサ」の好子としての強さが増すので、
行動の習得が早くなります。

 

A：先行条件、B：行動、C：結果という、
ABC分析でいうところの、A：先行条件は、
つかみづらく、これを変えることによる行動変容というのは、
思いつきにくいというのが、よくご質問でいただきます。

 

結果の提示のほうが、わかりやすいですからね。

 

でも、このように確立操作というような、
A：先行条件をうまく使うことで、
同じ好子であっても、強さを変えていくことはできるのです。

 

甘やかしていると、厳しくしたときに、
より抵抗が大きくなる。

 

厳しくしていて、たまに大目に見るほうが、
よい印象になる。

 

などということも、
よく起きるのではないでしょうか。

 

原則をしって、
うまく活用できる上司になりましょう。

 

 

本日の日課　36点（諸々、大変ご迷惑をおかけしています）

（日課とは、オリジナルで作製した「行動アシスト手帳」に書かれている毎日やる25項目のうち、何項目やったかを点数化したものである。どんな項目かはナイショ）

-ABA（応用行動分析学）, ABAマネジメント