注目は好子かどうか。
2018/05/13
本日も、前説なしで、本題です!
★注目は好子かどうか。
「行動」の直後の結果、刺激や環境の変化などで、
その「行動」が、その後自発的に起きてくるかどうかが、
制御されている、というのがABA(応用行動分析学)の基本的な考え方です。
その「行動」の直後に現れる「何か良い刺激、事象などの結果」を「好子」といい、
逆に「何か悪い刺激、事象などの結果」を「嫌子」といいます。
さて、ここで問題。
人の「注目」というのは、
「好子」でしょうか、「嫌子」でしょうか?
何かよいものなのでしょうか、
それとも何か悪いものでしょうか。
例えば、赤ちゃんが泣くこと。
赤ちゃんが泣く(行動)と、
親が注目します(結果)。
これは、きっと赤ちゃんにとっては、
「何か良い結果」です。
そして、赤ちゃんはまた泣くという行動を、
自発的にするようになります。
では、また別の例。
授業中に生徒がスマホをいじる(行動)と、
先生が注目します(結果)。
この場合、生徒は今後、授業中にスマホをいじるという行動は、
自発的にやらなくなります。
この場合、先生の注目は「何か悪い結果」であり、
「嫌子」となります。
このように、「人の注目」は、
絶対的に「好子」というわけではなく、
場合によっては、「嫌子」ともなり得るわけです。
この二つの例は、シチュエーションが全く違うから、
ということもあります。
では、同じシチュエーションで、
人が違う場合でも考えてみましょう。
忘年会の際に、
「それでは、一人ずつ一発芸をしてください」
という、ありがちなシチュエーションを想像してください。
Aさんは、皆の前に出てモノマネをしました(行動)。
すると周りが皆Aさんを見て笑いました(注目)。
今度はBさんです。
Bさんも、皆の前に出てモノマネをしました(行動)。
すると周りがBさんを見て笑いました(注目)。
さあ、この場合の「皆が笑う」という注目は、
「好子」でしょうか、「嫌子」でしょうか。
・・・これだけでは、分からないですね。
Aさんは、その後、宴会の際には、
いつもそのモノマネをするようになりました。
一方、Bさんは、二度と人前でモノマネをすることはしなくなりました。
Aさんには「皆が笑う」という注目は、好子だったのであり、
Bさんには嫌子だったのです。
このように、
ある刺激や結果が、
絶対的に好子である、嫌子である、
というように決まっているのではありません。
その後の行動がどうなるかで、
はじめて分かるものなのです。
皆が好子だと思っている「褒める」ということも、
もしかしたら、人によっては嫌子になり得ることも・・・
あるかもしれないのです。
本日の日課 60点(ちなみに私は注目されるのは大嫌いです)
(日課とは、オリジナルで作製した「行動アシスト手帳」に書かれている毎日やる25項目のうち、何項目やったかを点数化したものである。どんな項目かはナイショ。)