連続強化と部分強化。
2018/05/30
今日は半日、人事評価の目標設定の指導をいたしました。
作ってもらった目標について、
書き方について、皆で検証、そして個別に添削と指導。
何事もそうですが、
知識を伝え、練習をして、実践をして、復習をする。
これをやって、
身に付いていくのですね。
次回、修正して上がってくる目標設定が、
どのようなものになっているか、楽しみです。
さて、本題です。
毎回ご褒美が出るのと、
たまにしかご褒美が出ないのと。
どちらが行動が続くのか、というと、
実は・・・。
★連続強化と部分強化。
連続強化(毎回褒められる)から、
部分強化(たまに褒められる)にしていくと、
褒められないときに、行動しなくなってしまうことに、
抵抗力がついてくるようになります。
これを、ABA(応用行動分析学)では、
「消去抵抗」といいます。
消去とは、良い結果(好子)が、出てこなくなると、
それまで強化されていた行動は、やらなくなってしまうこと。
しかし、毎回必ず良い結果(好子)が出てきたときに比べ、
出たり出なかったりするときのほうが、
行動をしなくならずに、継続するのです。
なかなかわかりづらいかと思いますが、
そんなときはやはり、例え。
次のような例で考えてみましょう。
・子どもが、お菓子を欲しいとねだると、
毎回お菓子をお母さんが買ってくれた。
しかし、ある日から全く買ってくれなくなった。
一時的には何度もねだったが、その後諦めてねだらなくなった。
・子どもが、お菓子を欲しいとねだると、
お母さんは買ってくれる時と買ってくれない時とがあった。
そのうち、何度ねだっても、買ってくれない時期が続いた。
もっとねだれば、買ってくれるだろうと思い、子どもはねだり続けた。
ABA(応用行動分析学)は、行動を分析する学問です。
どれくらいの間隔で、好子を提示したら、行動が継続するのか、
やめてしまうのかという実験データが膨大にあります。
その実験の結果、連続強化に比べて、
部分強化の方が、行動は継続することが分かっています。
一般的な言い方をすると、
それまで当たり前に必ず出ていたものが、
出なくなると、諦めも早くなる、ということ。
【連続強化からの消去】 → 消去しやすい
・ボールペンのインクが出ていた → 出なくなった → 使わなくなる
・毎回メールの返信があった → ある日全く来なくなった →メールを出さなくなる
・必ず映っていたTV → つかなくなった → 使わなくなる
【部分強化からの消去】 → 消去しにくい
・ボールペンのインクが出たりでなかったり → 今日は出なくなった → もう少し粘って使う
・メールの返信があったりなかったり → しばらく来なくなった→ 次はもらえるかも・・・とまたメールを出す
・調子の悪いTV → つかなくなった → つくまで何度も試してみる
このように、良い結果が、
当たり前のように毎回出ているときは、
出なくなったら、もう終わりというように消去されやすくなります。
一方で、元々出たり出なかったりの経験をしているの、
今は出ないけれども、次こそは、とか、もっと粘れば出るかも・・・、
と、行動はより継続するのです。
連続強化と部分強化ということを知ることで、
どのように段階を経て、行動を身に付けてもらい、
それを継続させるか、という、教え方のデザインを作っていくことができるのです。
本日の日課 56点(毎回反省を活かしてないのが、悪いよね)
(日課とは、オリジナルで作製した「行動アシスト手帳」に書かれている毎日やる25項目のうち、何項目やったかを点数化したものである。どんな項目かはナイショ。