榎本あつしのBLOG(人事制度の学校・評価をしない評価制度・A4一枚評価制度とABA:応用行動分析学)

人事制度や社労士やら応用行動分析学の研究やら猫やら馬やら庭やらで毎日過ごしています。

「般化」。研修ではできても職場でできない。

今日は、弊社にて「ABAマネジメント」セミナー。

 

少人数でしたが、対話もしやすく、
よかったかと思っています。

 

その時にもちょっと話したこと。

 

本題です。

 

 

★「般化」。研修ではできても職場でできない。

 

「Aさん、研修の場では誰よりも大きな声であいさつしていたのに、
職場ではからっきしだね。本番に弱いタイプなのかも。」

このような声を聞くことがあったりします。

 

「本番に弱いタイプ」は、レッテル貼りで、
循環理論になってしまっているのでNG。

 

分析すれば、
かならず原因が別に見つけられます。

 

この場合は、研修の場では強化されていたものが、
別のものに変わったため、
「般化」が不十分だった、ということが考えられます。

 

 

【般化】
「ある特定の刺激により起きる行動が、似たような別の刺激でも同様に起きるようになること」

 

初めてみた形の信号機でも、おそらく進んでいいか、
止まれなのかの区別がついて、進むことができるようになります。

 

初めて手にした水筒であっても、
おそらくフタを開けることができます。

 

本来は、違う先行条件での刺激ですが、
近いもの、似ているものであれば、対応できるのです。
「応用できる」というと分かりやすいでしょうか。
人の素晴らしい能力ですね。

 

しかし、この般化があまり過ぎると、
危険にもなります。

 

道路に設置されて、光が付くものは同じ刺激として、
般化が進みすぎると、信号が光っている場合は全て歩き出したりしてしまいます。

 

「般化」は、
「区別」との絶妙なバランスで機能しているのですね。

 

子どものころ、お医者さんに注射を打たれ、
痛い思いをしたために、白衣を着た人を前にすると、
逃げたくなるのも般化といえます。

 

初めて来た場所でもここはフォーマルに振る舞う場所だ、
ここはリラックスして休める、などの行動ができるのも、
般化という力があるからです。

 

・A:先行条件も、C:結果も違う

 

一方で、同じ人間であっても、
あの人の前だとうまくできるのに、
この人の前だとうまくできない、
という般化にならずに区別されてしまうことも起きます。

 

研修ではうまくできるのに、
職場ではダメ、というものですね。

 

ABC分析で、少し分析してみましょう。
まずは研修の場から。

 

たとえば元気のいい挨拶。

 

研修の場では、行動の前の環境は、

「研修講師がいる」「研修仲間がいる」。

挨拶した後の結果は、

「講師が褒める」「仲間が褒める」

 

この前後の環境を見ると、
挨拶という行動は強化されます。

 

しかし、これが職場に戻ると、

行動の前の環境は、

「職場の上司がいる」「職場の仲間がいる」。

行動の後の結果は、

「上司の褒め言葉は来ない」「仲間もあまり挨拶しない」

 

研修の場ではできても、職場ではできないのは、
本人のやる気や意思なのではなく、
前後の環境が異なるため、行動が強化されないのが原因。

 

同じ人間とはいえ、適切なフィードバックをする研修講師がいる環境と、
それができない上司のいる環境では、「般化」が十分におきないといえるのです。

 

 

本日の日課 52点(ちょっとピーク)

(日課とは、オリジナルで作製した「行動アシスト手帳」に書かれている毎日やる25項目のうち、何項目やったかを点数化したものである。どんな項目かはナイショ。

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