「符号効果」をABA的に考える。
えー、平凡に生きる私は、今日はネタもなく。
そんなときは猫の写真という武器があります。
いつもどこかにあごを乗せて寝るレオンさんです。
さて、本題です。
今日のテーマは、「符号効果」。
一昨日お伝えした「遅延割引」とよく一緒に使われる言葉です。
★「符号効果」をABA的に考える。
「符号効果」
「あー、あれだろあれ。試験に落ちるやつ。」
いえ、違います。
それはふごうかく・・・
ちょっと何言っているかわからない(妻・娘談)ので、
中身にいきます。
一昨日お伝えした「遅延割引」とは、物事の価値は、
その提示が遅れれば遅れるほど、
低く割り引かれてしまうという概念でした。
今回の「符号効果」は、
同じ1万円でも、もらえるのと、取られるのでは、
その価値が異なる、という効果のことです。
プラスかマイナスかの符号で効果が異なるので、
「符号効果」というわけですね。
例えば、2分の1の確率で当たるルーレットがあります。
当たれば1万円もらえて(+)、
外れれば何もなしの場合、
もらえなくても、「あー残念」ぐらいで済む価値です。
しかし、当たれば何もなしで、
外れたら1万円取られる(-)の場合は、
非常に残念で悔しいです。
これだと、そりゃあもともとあったものがなくなるから、
価値が違うのでは?
と思われるかもしれません。
では、
先に1万円を渡しておいて、
当たったらそのままで、
外れたら1万円返さなければいけない、
となると、どうでしょうか。
やはり当たったら1万円よりも、
1万円を返すことの残念さは強いのではないでしょうか。
また、前回お話しした遅延割引も、
マイナスの符号の場合は、価値が下がりにくいといわれています。
今すぐもらえる1万と、1年後の1万では、価値が大きく異なるのに、
取られる場合は、1年後でも嫌なまま。
そう、価値が割り引かれないのです。
さて、ABA(応用行動分析学)的にいうと、
プラスの符号は、「好子出現」ですね。
マイナスの符号は、「好子消失」です。
実は、問題行動を変容させる際に、
この「好子消失」は非常によく使われます。
問題行動を起こさずに、
普通に振舞っているときは、
常にお菓子などを出していたり、
笑顔で注目するなど「好子」を先に提示しています。
しかし、問題行動をしたときは、
提示している好子をなくしてしまいます。
お菓子はなくなります。笑顔も注目もなくなります。
好子を取り上げるのですね。
問題行動をすると、
それまで持っていた良いものがなくなってしまう。
結構、強力に行動変容につながる、
介入の仕方です。
持っているものを失うことを、
避けて人は行動するのであれば、
先に与えて失わせないような環境変化を、
周りでつくっていく。
これもABAマネジメントの一つのやり方です。
持っているものへの固執。
既得権などもそうでしょうか。
持たざる者にとっては、
どうしてそこまで固執するのか、
と思うようなことが巷で起こっています。
持っていない人と、
持っている人とでは、
「符号」の違いで、同じものでも価値が変わっているのでしょうね。
本日の日課 56点(価値観は、過去の経験、場所、時間、プラスかマイナスかで大きく変わりますね)
(日課とは、オリジナルで作製した「行動アシスト手帳」に書かれている毎日やる25項目のうち、何項目やったかを点数化したものである。どんな項目かはナイショ)