組織の問題は「Aくん」である。【行動分析学で人を動かす】
2018/12/28
弊社は今日で仕事納めでした!
・・・と、いっても何もイベントなどはせず、
そのまま普通に通常通り。
うーん、これではいけないか・・・。
つまらない職場だと思われてしまう。
とはいえ、私自身がつまらない人間なので、
無理やりウェイウェイなイベントなどできるわけはない。
いや、極端なウェイウェイでなくても、
普通にお疲れ様会でいいのか。
うーん。
さて、本題です。
★組織の問題は「Aくん」である。
組織の悩みで、経営者の方、上司の方から、
次のようなご相談を受けます。
「Aくんは、会議で自分からなかなか発言しなくて困っているんだよね」
この経営者や上司の悩みを解決する立場のあなた、
さて、この悩みを聞いて、どのような解決手段を思いつくでしょうか。
多くが、
「発言しないAくんをなんとかしよう」
というアプローチになるのではないでしょうか。
「Aくんはゆとり世代だから、教育が必要だ」
「Aくんの意識を変えないといけない」
「Aくんのやる気スイッチを・・・」
「Aくんが・・」
「Aくんの・・・」
と、組織において問題なのは「Aくん」なので、
「Aくん」の内面(やる気・意識)をなんとかしないと、
という考えになってきます。
すると、どんな解決手法になっていくでしょうか。
・徹夜で山登りをさせる
・街角で知らない人に名刺を1000枚配らせる
・研修で過去の黒歴史を涙ながらに語らせる---。
ちょっと大げさにしてしまいましたが、
このように「Aくん」の意識改革をしよう、
という取り組みをするということが起きてきます。
昔から現在にいたるまで、
組織の人材に関する問題解決は、
このように、個人の「やる気をどうやって上げるのか」
「意識をどのように改革するか」
というようなアプローチがほとんどと感じています。
しかし、現実的にこれでうまくいっているケース、
どれくらいあるでしょうか。
一時的には「やる気」が上がっても、
職場に戻っていったら、だんだん下がってくる---。
そして、また一年ぐらいしたら「やる気」が下がってきたので、
研修を依頼する。
このようなことを企業が繰り返すことが、
果たしてその企業のためになっているのでしょうか。
もっと、組織の中に行動が起きる「仕組み」を導入して、
誰が入ってきても、そこで自主的に望ましい行動をしてくれるように定着させる。
そちらに取り組む方が、どれほどその企業のためになるのか、
との想いを強く持っています。
ABA(応用行動分析学)マネジメントは、
「Aくんをなんとかする」という手法ではなく、
「Aくんが行動するようにする」という手法なのです。
人そのものを原因として、
攻撃するような形にはせず、
どうしたら、望ましい行動をするように、
周りができるのか、を皆で考える形です。
そして、その環境が定着すると風土となり、
自動的に育成ができる組織になってきます。
ABAマネジメントが目指すところは、
この「自動的に行動が起きてくる」職場の仕組みづくりなのです。
もう一つ、
個人を何とかするマネジメントでは、
毎回、新しい「問題の人」が出てくるでしょう。
組織の問題は、「○○さん」というのを、
何度も対処療法的に繰り返し、
「○○さん」の意識改革、やる気をあげる取り組みを行う。
なんとなく、
人材に関する取り組みを積極的に行っているような気がして、
「仕事している」上司になるのかもしれませんが、
やはりこれは会社にとって良いことではないのではないでしょうか。
本日の日課 44点(Aくんを作り上げている職場が問題と思えるかどうか)
(日課とは、オリジナルで作製した「行動アシスト手帳」に書かれている毎日やる25項目のうち、何項目やったかを点数化したものである。どんな項目かはナイショ)