こんにちは、突然ですが皆さんは小さい頃、どうやって自転車に乗れるようになりましたか?

いきなり、自転車を渡されて乗れるようになった人は少ないと思います。

まずはサドルに乗って親が押してくれて、次に補助輪や親の補助ありで自分でこいでみる、そして途中まで補助ありで少し進んだら補助なしにする、最後に一人で乗れるようになる。

というような、徐々にスモールステップで段階的に訓練された方が多いのではないでしょうか。

人材育成もこれと同じで、まだ身についていないことやできないことは、スモールステップで段階的に教えていく必要があります。

これを行動分析ではシェイピングといいます。

シェイピング・・・目的とする行動を獲得させるために、行動をいくつかの段階に分けて徐々に強化していくこと

先程の自転車の例だと、最終的に獲得してほしい行動は一人で長時間自転車をこぎ続けるです。

そのために、いくつかの段階に分けて教えています。

このシェイピングを使った指導は他にもあらゆるところで用いられています。

幼い子供に言葉を教えるときに、まずは「ママ、パパ」などの簡単な単語から教えて言えたら強化する、次に少し長い単語を、次に…、

など、シェイピングという言葉は知らなくとも、シェイピングを使ったり受けたりしたことがあると思います。

シェイピングの特徴

このシェイピングには他の多くの強化方法と異なる特徴があります。

それは、まだ自発していない行動や身についていない行動など、現時点で行動が全く現れていなくても使用できることです。

例えば、正の強化を使って行動を獲得させたいと思っていても、獲得させたい行動がそもそも現れないと強化もできませんよね。

単純な正の強化(行動した後に良い刺激を与える)だけでは、強化する行動が現れるまでずっと待つしかありません。

しかし、そんなに待ってられない!

そんなときに有効なのがシェイピングです。

シェイピングは獲得させたい行動に近い行動を、いくつかのスモールステップに分けて、現時点で現れやすい行動から訓練を開始できます。

ゴール(最終的に獲得させたい行動)に向かって、一歩ずつ階段を登っていくような感じです。

 

ただ、中にはスモールステップに分ける必要なく、階段を何段もとばしてゴールに辿り着く人や、途中のある段階だけ必要ない人もいます。

そのため、細かく段階を分ければ分けるほど良いわけではありません。細かすぎると時間も労力もかかってしまうので。

対象とする人にとって、どのくらいの段階に分けるのか、分けた段階は大きすぎないか、逆に細かすぎて余計なコストをかけていないか、考えてゴールまでの階段を作る必要があります。

皆さんが階段をのぼる際の、段差の大きさを考えると理解しやすいかもしれません。

最後に

シェイピングは適切な段階に分けて終わりではなく、階段を一歩登るたび、1段階クリアするたび強化をすることが大事です。

ただスモールステップにするだけでは行動は獲得されません。そこに強化子がほしいです。

シェイピングを行う際の手順として

1,最終的に獲得させたい行動を決める

2,そもそもシェイピングが必要なのか考える

3,細かすぎず、大きすぎないスモールステップ(段階)に分けて、スタート地点となる行動を決める

4,与える強化子をきめる

5,1段階でもクリアしたらちゃんと強化する

これらを参考にすると、今は全く行動していなくても、自発するようになるかもしれません。

ではまた。

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