タイトルだけみると、なんのこっちゃわからないですよね。
でも最後まで読んでいただけると、納得すると思います。
あなたの会社独自のルールはありますか?
ルールには様々意味がありますが、ネガティブな意味で使われることもしばしば。
~してはいけない、というルールを学校でも会社でも組織においてよく見かけます。
昔ながらの「廊下を走ってはいけません」とかはこの典型例ですね。
しかし、多くの人が用いている一般的なルールだけでは行動に影響を与えにくいです。
廊下を走ってはいけないと言われただけでは行動に影響せず、走ってしまった経験がある方も多いのではないでしょうか。
このように、ただ掲げているだけ、示しているだけで機能していないものをルールとして設置している会社は非常に多いです。
では、どうすれば行動に影響を与え、機能するルールとなるのでしょうか?
望ましい行動を自発的に行い、望ましくない行動を行わないような「ルール」にするにはいくつかポイントがあります。
ルール
まず、ルールという言葉についてです。
これから言う「ルール」とは一般用語での「規則・規範」などの意味ではありません。
行動分析学の専門用語で特別な意味があります。
行動分析学の本や論文で書いてある「ルール」の定義は、
行動に先行する言語刺激で、行動随伴性を記述したタクト。です
おそらく多くの人はピンと来ないと思うので、簡単に言うと、
随伴性(先行条件Aー行動Bー結果C)を示したものです。
どういうときに(A)ーどういうことをすると(B)ーどういう結果がおこるのか(C)、を言語化しているということ。
つまり先述したような「~するのはダメ!」というのは、一般的にはルールとして使っているかもしれませんが、行動分析的にはルールになっていないです。
行動(B)についてしか言語化されていないですからね。
これでは行動に影響を与えにくいです。
行動に影響を与えるルールにするためにはABCを言語化しなければいけません。
ただ行動(B)について、~しなさい、~するのはダメ、と伝えるのではなく、AとCについても伝える必要があります。
日常生活での例
お腹を出して寝ようとしている子供に、
「お腹出して寝るな」⇒ルール:「寝るときに(A)お腹出していると(B)風邪ひいてお腹痛くなるよ(C)」
他にも、ビジネス場面で、
「残業は30分まで」⇒ルール:「17時以降に(A)30分以上残業すると(B)見回りに来た人に怒られて報告書出すことになる(C)」
最後に、ルールは必ずしもABCの全てが明確に示されている必要はありません。
人によっては、行動(B)と結果(C)しか示されていなくても、それを示された人が先行条件(A)を言語化する場合もあります。
先の例では、行動(B)の部分で「残業」と言っているので、伝え手が定時である「17時以降に」というAは明言しなくても、聞き手で言語化されます。
このようにルールを個人に伝えるときは、その人がどこまで言語化できるのかにあわせて、省略して構いません。
しかし、組織となれば話は別です。
多数の人が入り交じる組織において、行動(B)しか示さず、AとCを省略してしまうと、人によって言語化できる人できない人が出てきます。
また、言語化できたとしても、AやCがバラバラになってしまい、人によっては行動が増えたり、減ったり、とバラツキが大きくなります。
なので、組織においては、なるべく明示しておいた方が無難かなと思います。
それでも、皆に同じように伝えるのは難しいですが、ルールを明示するのとしないのでは違うはずです。
以上、行動分析でも比較的マイナーなルールについてのお話しでした。
あなたの会社で掲げられ、ルールと呼ばれているものは本当にルールになっていますか?
ではまた。
Yu
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