ABAを企業組織に活用する際、目的はなんだろう。

多くの文献で言われていることは、

「問題行動を減らし、適切な行動を増やすこと」

ふむ、この通りです。

ただ、このまま伝えてしまうと、誤解して伝わってしまうことが多々あります。

どんな誤解かというと、

「あ、問題行動だ!よし、ABAの原理に従って弱化しよう。」

というようなものです。

この考えは間違ってはいないです。

ですが、問題行動への介入(改善)を考えるとき、まず「弱化しよう」と考えるのはベストとは言えないです。

それはなぜか?

答えは単純で、

問題行動を減らしても会社の戦力にはならないから

です。

部下に暴言を言う、パワハラする、このような問題行動を起こす社員がいたとしましょう。

この社員に対しABAで介入し、暴言を言わなくなった、パワハラしなくなった、としましょう。

これは個人単位で考えると、素晴らしい成果かもしれません。

しかし、会社で考えたとき、これで会社の利益アップなど、有益な結果に繋がるかと言われると、繋がりません。

むしろABAなんて考えなくても、問題行動をなくすだけなら、クビにすればいいです(例なのですごい極端に言ってます)。

ではどういうアプローチを考えればいいのか。

問題行動をそのまま改善対象にするのではなく、問題行動と競合する適切な行動、または会社の戦力になる行動を強化する。

これをまず考える。

競合行動の強化(分化強化)

競合する行動とはどういうことか。

簡単に言うと、

問題行動と対になるような望ましい行動です。

例えば、先程の社員の例では、

・部下を称賛する

・「なにか困っていることないか」と部下の状態について質問する

などが競合行動として挙げられます。

そして、これらの行動を強化することを標的にする。

適切な行動が身について会社の戦力になるので、問題行動と対になるような行動を考えるのがファーストステップです。

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人間は適切な行動も不適切な行動も両方生起します。

問題行動だけにとらわれるのではなく適切な行動も常にセットで考えることが大事です。

ちなみに、このような強化の方法を【分化強化】といいます。

分化強化とは何か、いつも通り定義から、

分化強化・・・特定の望ましい行動のみを強化し、その他の行動は強化しない手続き。その結果、標的行動(今回の場合だと問題行動)が将来生起する可能性が低くなる(Miltenberger, 2001)。

競合行動の強化だけが分化強化ではありませんが、分化強化の一部です。

もちろん、どんな問題行動の場合も分化強化がうまく当てはまるとは限りません。

うまい競合行動が見つからないときもあるでしょう。

それでも、問題行動⇒弱化と考える前に、競合行動を分化強化することを優先的に考える。

これが会社という組織にとっても、個人にとっても、オススメです。

 

ではまた。

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