榎本あつしのBLOG(人事制度の学校・評価をしない評価制度・A4一枚評価制度とABA:応用行動分析学)

人事制度や社労士やら応用行動分析学の研究やら猫やら馬やら庭やらで毎日過ごしています。

鉛筆なめなめ評価を続ける決意が湧きました。とのご感想をいただきました。

WBCで盛り上がっていますが、3大イケメンは誰かねー、みたいな話になりまして。

いろいろ意見は出ましたが、

小林選手、坂本選手、クリーガー選手(イスラエル)という結論になりました。異論は認めます。

 

 

さて、本題です。

拙著「A4一枚評価制度」のご感想でこのようなものをいただきました。

 

「私の会社は鉛筆なめなめ方式です。人事評価を導入すべきか迷っていましたが、読後に鉛筆なめなめを続ける決意が湧きました。大変参考になりました。」

 

ご感想ありがとうございました。m(_ _)m

まずはこの場を借りてお礼申し上げます。

 

で、このご感想をメールでいただいたとき、
私が本でお伝えしたいことを分かっていただいた、
と感動すら覚えてしまったのです。

 

いわゆる「最高のほめことば」です。涙出そう。

 

本を読んだ後で「やっぱり鉛筆なめなめでいいと思った」、
というような感想になるという人事評価制度の本なんてそうそうないかなと思います。(笑)

 

 

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なぜ鉛筆なめなめ評価がよいのか

 

なぜ鉛筆なめなめが良いのか、拙著「A4一枚評価制度」の中では大きく二つの理由で解説させていただいています。

 

まずひとつは、

 

・制度による年次の評価は強化スケジュール「FI」であり、鉛筆なめなめ評価は強化スケジュール「VI」である。

(A4一枚評価制度 95ページ参照)

 

「FI」とは「Fixed Interval」のことで、「VI」とは「Valuable Interval」のことです。

 

通常の人事評価制度のように、毎年3月と9月に実施する、

というように固定された時期に評価されることが決まっていると、

その時期に合わせて行動をしてしまうようになります。

結果的に行動量が減り、継続しなくなります。

 

逆にいつ評価されるかが分からないというようになっている方が、行動の量は増え、継続もします。

 

もちろんまるっきり評価されなくなると、「あきらめて」しまわれますが、

そうなる前にきちんと評価してあげることが一番モチベーションにつながるのです。

 

「いつも」よりも「たまに」の方が、行動が継続するなんて、人は(動物もですが)不思議なものですね。

(※でも、ギャンブルなどはまさにこの仕組みです)

 

お金が目的に条件付けられる

 

もうひとつ、なぜ鉛筆なめなめの方がよいのかの根拠です。

 

・報酬を条件付けられると、人はそのために行動するようになってしまう

(A4一枚評価制度 100ページ参照)

 

です。

有名なグリーン&レッパーの実験を元に解説しています。

 

子どもを3つのグループに分け、色鉛筆と画用紙がある教室にそれぞれ入らせます。

 

A:絵を描いたらごほうびをあげると事前に伝えるグループ(報酬期待群)

B:ご褒美があることは伝えずに、描いたら後からごほうびが貰えるグループ(報酬無期待群)

C:絵を描いても何ももらえないグループ(無報酬群)

 

1回目は、Aのグループが、絵を描く子どもが一番多かったのですが、

2週間後に再度同じグループに分けて教室にはいってもらうと、

AのグループよりもBやCのグループの方が絵を描く子どもが多くなり、

Aの子どもたちは2回目以降は激減するのです。

 

つまり、最初にごほうびがあることを伝えてしまったがために、

何もごほうびがもらえなくても再度絵を描くはずだった子どもたちが、

逆に描かなくなってしまったのですね。

ごほうびのないCのグループの半分ぐらいにAの子どもたちは減っていました。

 

絵を描くこと自体が目的だった子どもたちが、

ごほうびが目的として条件づけられてしまったのです。

 

きっちりした人事評価制度をつくって、

「これだけやったらこれだけもらえる」という賃金制度を事前に示すことは、

もしかしたら、仕事そのものにやりがいを感じている人たちに対して、

給与が目的という条件付けを、会社からしてしまっているかもしれません。

 

大事なのは、目的が何であるかだ

 

もちろん、査定が目的だったり、社員の序列をつけるのが目的であれば、

鉛筆なめなめではなく、毎期ちゃんと点数が客観的に出る人事評価制度がよいでしょう。

 

でも、働く人の行動の促進やパフォーマンスの向上、

モチベーションUPなどを目的とするのであれば、

もしかしたら、鉛筆なめなめの方が優れている、というのは冗談ではなく本当の話なのだと思っています。

 

貴社の人事評価制度が、何を目的にしているか、

再度振り返ってみましょう。

 

そして、今の人事評価制度を運用することによって、

本当にその目的につながっているかどうかを検証しましょう。

 

ただやっているだけ、で目的につながらないのであれば、

会社にとっても、働く人にとっても、その人事評価制度はあまり意味のない、

「手間」だけになってしまっているかもしれません。

 

 

 

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