人事評価に「降格基準」は必要か。
2020/04/09
緊急事態宣言が出て、
いろいろな方のSNSでの発言、それに対するリプライなどを見て。
謙虚になろう、と思ったのでした。
さて、本題です。
人事評価に「降格基準」は必要か。
人事評価をした結果、
かなり低い点となった。
その際に、給与を減額、
等級は降格する―――。
懲戒などによる降格はわかるけれど、
評価によって降格をさせていくべきなのかどうか・・・。
というご意見をいただくこともあります。
以前は、降格がいままでもこれからも、
実際にはないのであれば、作らなくてもよいですよ、
としていました。
しかし、ここ最近はこの「降格基準」を必ず作っておきましょう、
とアドバイスして作成するようにしています。
それはなぜか、
というと「採用」のためなのです。
いまや完全に売り手市場で、中小企業には人が採用できない時代になっています。
求職者を選ぶような立場ではなく、とにかく人に来てほしいという状況で、
採用の際の給与水準もどんどん引きあがってきています。
と、いうことは何が起きるかというと、
採用したはいいが、実際に働いてもらったら、全く給与に見合わない人材だった―――。
これがいま、
実際にたくさんの企業において起こっているのです。
仕事ができないからと言って、
一度提示して契約した給与は、
やはりなかなか下げられず、高止まりになってしまっています。
これの何が問題かというと、
仕事ができない人が高い給与のままでいる、
というそのものの問題です。
でも、それよりも、もっと深刻なものがあります。
それは、「前から頑張ってくれている若手社員」が腐ってしまうことなのです。
入社のタイミングの違いによって、
後から入ってくる社員の方が給与が高い、
しかも仕事ができない、
しかし、会社はそのままにしている―――。
これからの若手で、
頑張って貢献してくれている社員が腐って辞めていってしまうのです。
できる人であればあるほど、
もの言わず、会社に愛想をつかして去っていってしまいます。
このような事態にならないためにも、
降格基準は必要なのです。
中途社員の採用の際に、今は給与の条件が上がっていて、
例えば、40万円という条件でなら、採用できるというようなケースがあったとします。
「40万円の提示は、当社の人事制度では【M3】の等級です。
【M3】の役割は〇〇で、□□の成果を出してもらい、
△△というスキル発揮を期待しています。
評価させていただいて、上回るよう出れば早めに昇格、
逆に下回るようであれば、降格ということもあります」
としておくのです。
入社のタイミングや、採用の経緯によって、
このようにバラついてしまっている社員間の給与を是正していくのも、
人事制度の持つ大きな機能です。
しっかりと、貢献してくれる人を昇格、昇給させていき、
そうでない人は、勝手には上がっていかないようにする、
そして必要であれば、降給、降格できるような制度にしておかなければなりません。
限られた人件費を必要な人材に配分していくのです。
このようなことを伝えると、
たまに「せっかく採用できたのに、降格させたら辞めてしまうかも・・・」と、
降格に踏み切れずに、そのまま高い給与にしているケースがあります。
致し方ない事情や気持ちはよくわかりますが、
辞めてほしくない社員はどちらなのかをよく考えてほしい、
と伝えています。
どのような社員から不満が出てくるのか、辞めてしまうのか。
それは頑張って成長して、貢献してくれる社員の方なのか、
そうではない人なのか。
それを見誤らないようにしないといけないのです。
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本日の日課 52点(全く時事と関係ないブログですみません)
(日課とは、オリジナルで作製した「行動アシスト手帳」に書かれている毎日やる25項目のうち、何項目やったかを点数化したものである。どんな項目かはナイショ