「現場主義」という罠。
2019/01/07
「3年A組人質が何たら」を見ていましたよー。
娘が出演の役者さんにやたら詳しくて、
逆にちょっと引いちゃいましたよー。
「知ってる子たくさん!」だそうで。
セブンティーンがなんたらかんたら。
でも、JKなんてこんなものか。
さて、本題です。
★「現場主義」という罠。
今日は、ご批判を受けることも、
多少覚悟して書いてみたいと思います。
世の中が、「現場主義」という言葉の罠に、
陥っているケースが多いのでは、と感じることがよくあるのです。
皆、ステレオタイプのように「現場が大事」といいます。
しかし、あまり何も考えずに「現場主義」と唱えているような気がしてならないのです。
罠に陥っている。
もちろん、現場を無視するというわけではありません。
現場で仕事をする人にしかわからない事実、声は確実にあります。
それを知らないままで、
TOPがあれこれ口出すことは、やはりうまくいかないでしょう。
ただ、言いたいのは、
「現場の声は、現場の立場の人が出している」
という事実をどこまで捉えているか、という点です。
現場の立場には、その立場だからこその目的があり、
その立場だからこそのフィルターを通しての意見になっている、
ということを分かっておく必要があります。
こんな話があります。
○「誰から先にリストラしますか」
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「あなたには部下が10人います。
1人をリストラしなければならない状況になりました。
管理職のあなたは、誰からリストラしますか?」
という設問をある女子大で出した。
想定していた答えは、これまででいちばん業績があがっていない人を、
リストラせざるを得ないというものだろう思っていた。
しかし、その女子学生たちの答えは180度ちがっていて、
「最も能力の高い人をリストラする」という答えが圧倒的だった。
この答えを女子学生たちとディスカッションしたところ、
能力の高い人間はいつかこの職場を捨てるだろうから、
辞めていったときの会社のダメージははかりしれない。
ならば、能力の高い人間を先にリストラすべきだ─ と考えたそうだ。
「最も能力の高い人をリストラする」というのは、
生存本能そのものといえる。
能力の高い人は自らのレベルをスタンダードにおき、
その能力に達していない人をリストラ対象とみる。
いつかおそらく管理職の自分も含めてリストラするだろう。
だったらそういう人間こそ先にリストラしたほうがいいと考えた。
パフォーマンスをあげればあげるほど、
組織のなかで嫉妬され、排除されがちである。
そういう人が人事で抜擢され、
それがスタンダードとされると、それができない人々に不安を与える。
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(大阪ガス エネルギー・文化研究所 所長 池永寛明
日本経済新聞COMEMOに掲載された内容から引用)
この女子学生の考え方は、
まさしく現場での考え方と同じ面を表しています。
現場で働く人は、その立場での有利不利を基準に判断をすることでしょう。
企業にとって有益かどうかではありません。
これは決して、現場の人が悪いというわけではなく、
立場の違いだけであって当然のことなのです。
自分のやりやすいやり方、手間が増えないやり方、
評価が落ちないやり方、立場を脅かされないやり方、
それらの基準というフィルターを通しての声になってくる可能性が高いということを、
知っておく必要があります。
その上で、その現場がどうとらえるかも含めて、
経営側は判断をしていく必要があります。
「現場の声」という聴き触りの良い言葉の罠に陥って、
思考停止にならないように。
そして、その分、覚悟と責任をもって、
判断をし、決定をしていくことが、経営には求められるのです。
本日の日課 60点(原因は、あれだと思うんだよね多分。あ、ドラマの話。)
(日課とは、オリジナルで作製した「行動アシスト手帳」に書かれている毎日やる25項目のうち、何項目やったかを点数化したものである。どんな項目かはナイショ)