榎本あつしのBLOG(人事制度の学校・評価をしない評価制度・A4一枚評価制度とABA:応用行動分析学)

人事制度や社労士やら応用行動分析学の研究やら猫やら馬やら庭やらで毎日過ごしています。

「運用が劇的に良くなる5つのポイント」その1。

2021/03/30

去年、花が咲かなかったビバーナム・スノーボール。

 

ふっふっふ。

 

今年は行けるんじゃあないかなあ~。

 

 

このカリフラワーみたいなところが、
きっと花になるのだと思い込んでいますが、さていかに。

去年の6月、挿し木をした3本も、
しっかりと葉っぱが出てきました。

 

・・・3つも育てる場所ないけれど、どうしよう。

 

まあ、でも楽しみです。

 

さて、本題です。

 

「運用が劇的に良くなる5つのポイント」その1。

 

先日、マイナビさんで撮影した、
5つのポイントシリーズの第2弾です。

 

「作成と構築時」
「運用時」
「評価者スキル」

 

という3つのカテゴリーで、
第1弾「人事評価制度を作成する際に気をつける5つのポイント」は、
ちょっと前のブログで書きました。

 ↓

人事評価制度を作成する際に気をつける5つのポイント。

 

今回は「運用」です。

 

人事評価制度において「運用」はとても大事。
ここに異論のある方はほとんどいないかと思います。

 

・・・でも、運用がうまくいっていない、
という悩みがある会社がほとんどだったりします。

 

今回は、多くの会社でやっていない「運用」の仕方も含め、
「運用が良くなる」5つのポイントをお伝えいたします。

 

では早速1つ目・・・

 

 

の、その前に。
ちょっと考えていただきたいのです。

 

「運用が良い」「うまくいっている」というのは、
どのような状態のことをいうのでしょうか。

 

●だれもが期日に遅れずに提出ができていること?
●負担が少なく、仕事の片手間で回すことができていること?
●不平不満が出ないで運用ができていること?

 

いえ、そうではありません。
それは、「手段」がうまくいっているにすぎません。

 

本当に「運用が良くなっている」とは、
ちゃんと「目的」につながっているかどうか、なのです。

 

業績向上が目的だったら、
人事評価制度を運用することで、
業績が上がっているのか。

 

人材育成が目的だったら、
人は育っているのか。

 

運用においては、ついつい、

 

「大変だから簡素化してほしい」
「いろいろな面を評価しないと不公平だ」
「忙しいのでできるだけ期日を伸ばしてほしい」

 

というような、手段に関する意見や不満が多く出てくるため、
不平不満の無いように、ということばかりにとらわれてしまうと、
「手段が目的化」してしまいます。

 

回すこと、不満が出ないことのために、
人事評価制度を運用することに陥ってしまいがちです。

 

まさしく「形骸化」です。

 

やっているのに、効果を感じない、
皆がそれでも決まりだからと、やらされ感でやっていることになるでしょう。

 

ここからお伝えする5つのポイントは、
「目的」につながるための5つのポイントです。

 

一度書いてみたら、かなり長くなってしまったので、
何回かに分けてお送りしたいと思います。
今回はポイントその1。

 

1.「運用のパワーバランス」を見直す

 

人事制度の運用で目的につながるために、
一番大事なのは、この「運用のパワーバランス」が、
適正に取れているかが重要です。

 

期初は適当に始まり、期中は上司も部下もお互いに人事評価のことは忘れ、
最後の評価のときに、慌てて思い出しながら、
点数をつける。

 

【期初:10% - 期中:0% - 期末:80%】

 

 

ぐらいにバランスで、取り組んでいるイメージです。

 

途中に何も取り組んでいなく、
最後だけ慌てて、「あれどうだったっけ?」と、
上司も部下もやってしまっている状態です。

 

誰も評価などしていなく、会社全体で、
手探りで調整しているだけ。

 

これでは、苦労もして、
上司はわかってくれない、部下は物足りない、
など、お互いに嫌な思いをしながらも、
効果は感じられない、というものになってしまいます。

 

これを、

 

【期初:30% - 期中:50% - 期末:20%】

 

のようなバランスにします。
期初と期中にしっかりと取り組むのです。

 

 

期初に、会社や組織の目標や、自身が何を評価されるのか、
部下のどこを伸ばすのかをしっかりと認識、
話し合って、取り組むことをコミットメント(合意して約束)するのです。

 

本人は目標を達成する、スキルを向上するというコミットメント。
上司は部下に成果を出させる、スキルを伸ばすというコミットメント。

 

両者が期初にしっかりと決め、期中に入っていくのです。

 

そして一番大事な期中。

 

決めたことを頑張って取り組んでいるのか、サボっしまっているのかを、
お互いに確認できるようなコミュニケーションを図っていきます。

 

半年後、一年後まで「ほったらかし」で、

 

「やっていないの!?じゃあD評価だよ」

 

と、査定することにあまり意味はありません。
遅すぎます。

 

やっていないようだったら、
早め早めに指導をして、取り組んでもらう。

 

逆に取り組んでいること、頑張っていることも、
半年後に「良いね!」といっても、
期中のモチベーションにはつながりません。

 

そこまで「ほったらかし」だったら、
頑張っているのに見ててくれていない・・・と、
モチベーションは下がってしまいます。

 

ここも、取り組んでいる、頑張っているようだったら、
動機づけにつながる早め早めのフィードバックがとても大事なのです。

 

サボっていること、うまくいかないことへの指導・相談、
頑張っていること、成長していることの承認。

 

そして、そのコミュニケーションの記録を残す。

 

これをいかに期中にやっているかどうかが、
成長と成果の実現においての重要なポイントなのです。

 

期の途中から育成や成果の実現につなげられ、
その記録をお互いに見ながら、
評価の時に、

 

「ここは頑張って取り組み、ここまで成果につながった」

「一方、これは何度も話し合ってけれど、結局進められなかった」

 

というような話し合いができるのです。

 

ところが多くの組織では、
途中はほとんど(目標や成長に関しての)コミュニケーションは取っていなく、
記録もなく、冒頭にお伝えしたような、期末に思いだすように調整をしているだけ。

 

このパワーバランスをしっかりと見直し、
組織の仕組みとして、期初と期中に取り組めるような「仕組み」を作ることが、
運用において一番大事なこと、
そしてこれをぜひやっていっていただきたいことなのです。

 

最後の評価時のずれも大幅に減り、
お互いの納得度も大きく変わり、
何より早め早めの育成や目標達成につながるようになってきます。

 

ここは一番お伝えしたいことでもありましたので、
長くなってしまいました。

 

残りの4つのポイントは、
次回にお伝えしたいと思います。

 

本日の日課 52点(またまたメルマガと同じ内容なのはナイショ)
(日課とは、オリジナルで作製した「行動アシスト手帳」に書かれている毎日やる25項目のうち、何項目やったかを点数化したものである。どんな項目かはナイショ)

評価をしない評価制度 【評価をしない評価制度】
評価はせず、パフォーマンス・フィードバックで育成と業績向上を。
著者:榎本あつし
ご購入はこちらから↓
【評価をしない評価制度】
A4一枚賃金制度 【等級・賃金制度がこれ一冊。A4一枚賃金制度】
中小企業の人事制度の構築全般を網羅した本。同一労働同一賃金も。
著者:榎本あつし
ご購入はこちらから↓
【等級・賃金制度がこれ一冊。A4一枚賃金制度】
A4一枚評価制度 【人事評価で業績を上げる!A4一枚評価制度】
中小企業に適した現実的な運用重視の評価制度の本です。
著者:榎本あつし
ご購入はこちらから↓
【人事評価で業績を上げる!A4一枚評価制度】
会社ルールブック 【働き方改革を実現する会社ルールブック】
就業規則ではない、実際の職場の風土改善に役立つツール。
著者:榎本あつし
ご購入はこちらから↓
【働き方改革を実現する会社ルールブック】
【自律型社員を育てるABAマネジメント】
ABA(応用行動分析学)を用いたマネジメント。
やる気や意識に頼らない組織行動マネジメントです。
著者:榎本あつし
ご購入はこちらから↓
【自律型社員を育てるABAマネジメント】

-A4一枚評価制度