研修ではできるのに、職場ではできない。
2020/02/01
いまだにエリザベスカラー(ソフト版)装着している、我が家のレオン君です。
実は、留守中にどうやったのか、エリザベスカラー(ソフト版)が取れてしまっていて、
その間に傷口を舐めてしまっていました。
振り出しに戻る。
いや、3歩進んで2歩下がる。
もうしばらくつけてないとね。
さて、本題です。
研修ではできるのに、職場ではできない。
ちょっと前に出した本、「自律型人材を育てる『ABA(応用行動分析学)マネジメント』より。
研修でもよく言っている話。
この前ちょっと話題にする機会があったので、
思い出したようにブログに書いてみます。
キーワードは「般化」。
「Aさん、研修の場では誰よりも大きな声であいさつしていたのに、
職場ではからっきしだね。本番に弱いタイプなのかも。」
このような声を聞くことも多いです。
「本番に弱いタイプ」は、ただのレッテル貼りで、
循環理論になってしまっているのでダメです。
分析すれば、かならず原因が別に見つけられます。
この場合は、研修の場では強化されていたものが、
別のものに変わったため、「般化」が不十分だった、
ということが考えられます。
【般化】
「ある特定の刺激により起きる行動が、似たような別の刺激でも同様に起きるようになること」
私たちは、初めてみた形の信号機でも、
おそらく進んでいいか、止まれなのかの区別がついて、
進むことができるようになります。
初めて手にした水筒であっても、
おそらくフタを開けることができます。
本来は、少し形の異なる違う刺激なのですが、
近いもの、似ているものであれば、対応できるのです。
「応用できる」というと分かりやすいでしょうか。
人の素晴らしい能力ですね。
しかし、この般化があまりいきすぎると、
危険にもなります。
道路に設置されて、光が付くものは同じ刺激として般化が進みすぎると、
信号が光っている場合は全て歩き出したりしてしまいます。
般化は、「区別」との絶妙なバランスで機能しているのですね。
子どものころ、お医者さんに注射を打たれ痛い思いをしたために、
白衣を着た人を前にすると逃げたくなるのも般化といえます。
初めて来た場所でもここはフォーマルに振る舞う場所だ、
ここはリラックスして休める、などの行動ができるのも、
般化という力があるからです。
A:先行条件も、C:結果も違う
一方で、同じ人間であっても、
あの人の前だとうまくできるのに、
この人の前だとうまくできない、
と、般化にならずに区別されてしまうことも起きます。
研修ではうまくできるのに、職場ではダメ、というものですね。
ABC分析で、少し分析してみましょう。
まずは研修の場から。
次に、職場でのABC分析です。
実は、研修ではうまくいくのに、職場ではパフォーマンスを発揮できないパターンでは、
このように大きく、行動の後のC:結果が異なるケースが見受けられます。
研修の場と、本来の職場では、
その環境の違いが与える影響が大きいのですね。
研修ではうまくいくのに、
実際は変わっていないーーー。
こうして分析すると当たり前のこと。
職場自体の、A:先行条件とC:結果、を変えていくことに取り組むとともに、
職場と研修会場という、違う刺激であっても、区分されずに般化していくように、
再現できる練習などをしていく必要があるのです。
本日の日課 56点(研修が無駄ではない、とも言いたいですが、より職場環境の方が大事です)
(日課とは、オリジナルで作製した「行動アシスト手帳」に書かれている毎日やる25項目のうち、何項目やったかを点数化したものである。どんな項目かはナイショ。)