「伝える」と「伝わる」
たった一文字しか違いませんが、大きな違いがありますね。
私はコンサルティングをこれから行うにあたって、最近この言葉の差をよく考えるようになりました。
プレゼンや発表を行う際に、自分の持っている知識を正確にすべて伝えようと「伝える言葉」を使うのか、相手が理解しやすいように「伝わる言葉」を使うのか、このバランスは非常に難しいです。
特に、私は行動分析学を活かしたコンサルティングという、日本ではほぼ誰も知らない分野が専門です。行動分析学とは何か、そして従来のマネジメント手法ではなく、それを使うことでどんなメリットがあるのか、相手にわかってもらう必要があります。
そのため、行動分析学を全く知らない人にどのような言葉を使って、説明するのかはかなり重要です。
例えば、行動分析学の中でも中核をなす、「正の強化」というものがあるのですが、これを説明すると、
「行動の後にある刺激が即時的に出現することによって、
その行動の将来の正規頻度が増加すること」
です。本や論文にもこんな感じで書かれています。しかし、なんか難しそうで、心理学を勉強していない人にとっては、なんとなくわかるけどピンとこない
そんな状態だと思います。そこで、少し言い方を変えて、
「行動した後に、その人にとって何か良いことやメリットがあると、
その行動は増える」
だと、先ほどより少しは伝わるのではないでしょうか
(それどころか、そんなの当たり前じゃん!という人もいると思います)。
厳密にいうと後者の説明は完全には正しくありません。しかし、コンサルする時に、科学的に正確な用語を使うことは重要ではありません。相手に伝わり、運用してもらい、成果をだすのが最重要なのです。いくら正確な用語を使っても、理解されず、成果もでなければ、ただ私の自己満足で終わりですからね…。
では常に後者の説明が常に正しいかというと、そうでもないのが難しいところで、学会発表や論文、専門書などでは前者の説明が求められます。学術の場では、伝わりゃいい!役にたちゃいい!わけではなく、正確性も必要です。
このように、同じことを相手に話すにも、話す相手や目的にあわせて言葉を変える必要があると思う今日この頃。皆さんも人に何か説明する時、自分の話す言葉を考えてみてはいかがでしょうか。
ようは、使い分けが大切ですね(。-`ω-)
Yu
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